村上春樹の処女作「風の歌を聴け」の実写化作品。
ストーリーとしては原作に沿って作られているけれど、部分的に映画オリジナルの場面も加えられている。
はっきり言って映画として前衛的で実験的な作風だから好き嫌いは大きく別れると思う。
原作に思い入れのある人は、配役、特にジェイと鼠に対して激しく不満を持つかもしれない。
けれど、それはかつて村上春樹と同窓生であった監督の、極めて現実的で、とてもリアルな描写なのだろう。
作品の完成度は決して低くない。
一見の価値ありというより、見返すと価値を再発見することが出来るタイプの良い作品だろう。
ちなみに小指のない女の子役の真行寺君枝は村上春樹の短編集「カンガルー日和」のタクシーに乗った吸血鬼で血の美味しそうな女優にその名をあげられていた一人である。
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