Posted in 散文 Essay

『村上春樹の隣には三島由紀夫がいつもいる。』 佐藤幹夫

シミュラークルあるいはシュミラークル。自由への逃避行。
『村上春樹の隣には三島由紀夫がいつもいる。』 佐藤幹夫 Posted on 2015年4月18日
シミュラークルあるいはシュミラークル。自由への逃避行。

ざっくりいうと

・村上春樹は近代日本文学の流れにある

・村上春樹の小説
弱さ、シニカルさ、ジョーク(太宰文学的なもの)
+ アメリカ文学のスタイル(サリンジャー、フィッツジェラルド)
→ 三島由紀夫に対抗

・村上春樹の小説には、数多く三島文学のモティーフが登場する

 

近代日本文学の流れ

夏目漱石  vs 森鴎外
↓ 対抗
志賀直哉  vs 芥川龍之介、谷崎潤一郎
↓ 対抗
太宰治   vs 坂口安吾、石川淳
↓ 対抗
三島由紀夫 vs 大江健三郎、島尾敏雄
↓ 対抗
村上春樹

太宰・三島の思想

太宰治
「生まれて、すいません」
キリスト教哲学

三島由紀夫
「生きるとは死ぬことと見つけたり」
仏教の唯識思想、国学

村上春樹の時代

70年代から80年代にかけて、高度資本主義の発展。

社会主義・マルクス主義(唯物史観)が衰退。
構造主義的な方法を導入した人類学、宗教学、神話学、民俗学が興隆。
近代の終焉。ポスト・モダン。

同時期、異界・異人(妖怪、サンカ、マレビト)や超常現象、新宗教が流行。

村上春樹の思想

死者を抱え込んでしまった人間は、易易と死ぬわけには行かない。生きること。
死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。

本書内の比較作品

村上春樹『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』『ノルウェイの森』『ダンス・ダンス・ダンス』
夏目漱石『明暗』
志賀直哉『暗夜行路』
太宰治『人間失格』
三島由紀夫『仮面の告白』『夏子の冒険』『美しい星』『春の雪』『奔馬』
ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』
コリン・ウイルソン『賢者の石』
その他

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シミュラークルあるいはシュミラークル。自由への逃避行。