「雨の日は会えない、晴れ た日は君を想う」観てきた。
原題がDemolitionということで、劇中の激しい破壊シーン含め”壊れる”という変化が執拗に描かれる。冒頭のショッキングなシーンやそこで話されてる冷蔵庫、実は物語の始まり以前に壊れていた夫婦関係など。
主人公のデイヴィスも妻の死によって感情が壊れてしまったというより、どこか元から人間として壊れていたように映る。
壊れていたもの・壊れているもの・壊したものに囲まれながらフラッシュバックする記憶と破壊的衝動、再生の兆しとなる母子との関係を通じて進んでいく物語には無駄がなかった。
物語のラストでは最も長く壊れたままになっていたものが動き出す。
絶縁寸前だった義父に頼んでまで再生を試みたものがあれだったことに特に深い意味はないのかもしれないが、再生によって確かに動き出した時間は可視化され、それは単に自分だけのためではないように映った。
その瞬間は主人公だけの問題にとどまらず、失った人間が再び立ち上がる普遍的なシーンを見ているようだった。
一番最後の破壊を客観的見せるシーンまで(破壊からの卒業)素晴らしい。
ジャンマルクバレは俳優に職人芸を求める天才だと思う。
彼の映画に出た俳優は皆新しい一面をみせてくれる。
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