TVドラマ評 2017年4月クール作品の解説・確定版

4月ドラマ解説・確定版です。チェック出来た範囲でのものです。 犯罪症候群 WOWOWと東海テレビの共同製作。 妹を殺害されたショックとトラウマから警察を辞め、今は探偵をしている主人公とその主人公に事件の捜査を依頼する警察組織の人間たちを描くクライムサスペンス。 東海テレビで8話、その後WOWOWで4話という日程で放送されます。 ストーリーとしては、主人公のトラウマと警察内部の闇の2つが核になっていくようです。主人公の探偵を玉山鉄二・警察組織の鍵を握る人物を渡部篤郎が演じ見応えはあるのですが、初回で起きた事件が3話にして解決され黒幕のようにもったいぶって描いていた人物があっさり捕まるなど(それによって警察内部の闇という伏線はできるのですが)すべてが完璧かと言われれば微妙です。 4号警備 警察ではなく民間警備会社を舞台に、そこに務める警備員のペアが主人公の一話完結ドラマです。主演のペアを演じるのは窪田正孝と北村一輝。 民間警備会社の身辺警護という部分にスポットを当てた新しさはあるかもしれないですが、こちらの主人公も恋人を目の前で殺害されたトラウマから警察を辞め警備会社へ転職したという設定に...

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小嶋陽菜がAKB48を劇場での卒業公演をもって卒業した。

小嶋陽菜が先日のAKB48劇場での卒業公演をもって卒業した。 前田敦子以降、AKB主要メンバーの卒業は大きな注目を浴びてきた。 今回の小嶋の卒業に関しては、「まだ卒業してなかったのか」や「卒業公演前もやってなかった」という声も多く聞かれた。 小嶋含め主要メンバーはみな同じルートで卒業しているにもかかわらず、結局このシステムは世間に認知されなかったことになる。 独特ともとれるそのスケジュールを完結に整理すると、 ①メンバーによる卒業発表 ②具体的な卒業日の確定 ③卒業ライブ(大箱) ④AKB劇場での卒業公演 という手順になる。 小嶋陽菜に関して言えば、去年の総選挙での①から先日の④までで約1年間が経過している。 引き継ぎ的な理由もあるし、卒業曲をセンターでリリースするとその握手会日程は消化しないといけない。 また、ライブ会場のスケジュールや今回の小嶋のように卒業日を誕生日や記念日にするケースも少なくない。 今や完全にシステム化されているAKBという巨大グループにおいては、卒業するのも簡単ではない。 そのシステムの根本を作り上げたメンバーの一人こそ何を隠そう、小嶋陽菜だったのである。 この...

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TVドラマ評 2017年4月クール作品の紹介

4月クールのドラマが始まりだしました。特に初回は出来るだけ全て見ようと忙しくしてるのですが、今回は非常にバリエーションに富んだ良作揃いです。 そんな中でネットではこういった記事が散見しますね。 http://www.asagei.com/excerpt/79263 http://biz-journal.jp/2017/04/post_18710.html ライターも書き手だから、ある程度過激な事を求められているという立場を踏まえての記事なのでしょう。 ただ最も問題なのは、この記事だけを読んで「今回のドラマも総じてつまらないんだね」と見てもない人間が思ってしまう事です。いくらネットの三文記事とはいえ、その影響力や捉えられ方を想像して書かれない記事は良くないなと思ったりします。 「犯罪症候群」「クライシス」 両者とも刑事モノとミステリーという割と万人受けする形式です。 前者はwowowと東海テレビというドラマフリークが否が応でも期待を寄せるタッグですし、後者は公安という使い尽くされたネタを、初回だけで2つ事件を用意しキレよく処理していく中でチーム内キャラや立ち位置をスマートに説明する技量は...

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欅坂46 – 君から僕へ ~ 平手友梨奈と2度目の春の事変 –

欅坂46がCDデビューを果たしたのは、今から1年前の2016年4月6日だった。 その鮮烈なデビューは世間でも注目を浴び、過激なメッセージを纏う姿から「反体制アイドル」とも呼ばれた彼女たちは、デビューからわずか8ヶ月で紅白歌合戦に出場するなど現在も破竹の勢いで支持を広げている。 その欅坂46がデビュー1周年を記念して、アイドルとしては初めてNHKの音楽番組「SONGS」に出演を果たした。番組では、デビューシングルから先日発売されたばかりの4thシングル(TV初披露)までのパフォーマンスの合間に4作連続でセンターを務めた平手友梨奈へのインタビューが差し込まれた。 グループアイドルのセンターはグループを象徴する存在として担ぎ上げられる。AKB48が世間に登場して以降、センターが示すものについては世間でも広く認知されることになった。無論、平手友梨奈も例外ではない。しかし、これまでリリースされた楽曲のパフォーマンスを見ると、欅坂46は既存のアイドルとは異なる路線を辿っているように映る。それが番組の構成からもはっきりとうたがえた。 パフォーマンスをコンセプトに掲げるグループとはいえデビュー1年ほど...

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『かもめのジョナサン』を読む。

『かもめのジョナサン』を読んだ。 きっかけは、ふとしたことだ。YouTubeでミュージック・ビデオを流していると、ある動画が再生された。 それは1970年代をイメージした映像だった。 そこには時代を象徴するシンボルが映されていた。 フォークソング、喫茶店、コーヒー、ナポリタン、かもめのジョナサン。 『かもめのジョナサン』は、1970年代に世界的に大ヒットした小説だ。特に、ヒッピー文化に影響を与え、後にニュー・エイジやオカルティックな精神世界や自己啓発にも影響を与えた。 有名なところでは、オウム真理教の信者であった村井幹部は、「かもめのジョナサン」の心境になって出家をしたといわれている。 たしかに『かもめのジョナサン』は宗教的な要素のある作品だ。 しかし、思えば、それは宗教よりもその少し前の若者に影響を与えた『あしたのジョー』に似ている。 ジョーは燃え尽きた。真っ白な灰になるまで。そんじょそこらの不完全燃焼ではなく、真っ白に燃え尽きた。 「われわれは、“あしたのジョー”である。」 赤軍派(あしたのジョー)から、オウム(かもめのジョナサン)へという時代の流れが予見されていたのかもしれない。...

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『ゲンロン0 観光客の哲学』を読む。

『ゲンロン0』を読んだ。 『ゲンロン』は、東浩紀氏監修の批評雑誌であり、『ゲンロン0』はその創刊号である。 また、『ゲンロン0』は東浩紀氏の集大成的な哲学書である。 本書の副題は、「観光客の哲学」である。 これは、ある意味で柄谷行人氏の『トランス・クリティーク』の理論の更新ではないだろうか。 本書にはナショナリズムとグローバリズムに分裂した、2017年現在の状況をどう捉えるか、いかにわれわれは思考し行動すべきか。そう問うための、ビジョンが描かれている。 本書の核心のひとつは、現代のわれわれはモダンとポスト・モダンのふたつのレイヤーの中に生きていると捉えていることである。 現代の僕らの文化は、西洋近代の発展に大きな影響を受けている。 それは決して超克されてはいない。 しかし、1970年代以降のポスト・モダンの興隆と1990年代のソビエト崩壊以降、僕らはあたかも近代後の現代に生きていると考えているところがある。 モダン(近代の絶対的なツリー状の文化)はポスト・モダン(相対的なリゾーム状の文化)に転換されたのだと。 これらの展開を東浩紀氏は、モダンとポスト・モダン、アメリカ政治思想のコミュニ...

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