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友人と飲んでいて、この映画の話題になった。
自分の手ではまず選ばない作品だ。

毎週毎週新作が公開されて、消費されていく映画。
ティーン向けのもの、予算をかけたSFもの、アニメーションもの。
人生には限りがあり、映画視聴のために使える時間にも限りがある。
限られた時間を豊かで濃いものにしたいと考えるのは自分にとっては非常に合理的なことだ。
10代後半から20代前半の頃は好奇心と感受性に任せていろいろな作品に触れる機会があった。
多くの作品に触れると、自分の趣向や良い作品の見つけ方のようなものが何となく感覚的にわかってくる。
選択のブラッシュ・アップとでも、嗅覚とでも言うべきだろうか、ともかく、出来の悪いものに出会う機会は極端に減ってくる。
反面、知識や経験が増えていくにつれ、過去にあった体を貫くような感動の機会も少なくなっていく悲しいジレンマがある。

話が逸れた、溺れるナイフの話だ。

観終わった後で、監督について調べた。
自分より歳下の監督で、上智の哲学科を出て、ミュージック・ビデオもいくつか撮っている。
確かに断片で良いカットがいくつかあった。
10代の不安定さ、脆さ、その先に広がる未来。
偶発的か、意図的に捉えたかはわからないが、その年令にしか出せないある種の一瞬の輝き。
往々にしてその輝きには、後から気付く。
後から、もう取り戻せないと気付く。

”若くて綺麗な内に撮ってもらうのも良いんじゃない?”
と母が言った。

この点と点が意図されたものであれば、もっと良い作品が今後観られるかもしれない。

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