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映画『聖なる鹿殺し』を観る。

映画『聖なる鹿殺し』を観る。 Posted on 2018年4月7日Leave a comment

『聖なる鹿殺し』を観た。
ランティモス監督の前作『ロブスター』を観たときにあまりにはまってしまって、もちろんその年のぶっちぎりの年間ベストだったんだけど、そのせいでハードルが上がりすぎてたのか正直心から絶賛はできなかった。

理由の1つが、脚本というか物語の筋があまりにシンプル過ぎたというところ。前作『ロブスター』は物語が誰も意図しない方へ加速度的に転がっていき、その奇想天外ぶりと洗練された映像・音楽のバランスが完璧だった。
本作も、撮影・音楽に関しては文句なく最上のスタイリッシュさなんだけど、如何せん物語がシンプルすぎて、しかも最後に大どんでん返しもない。

復讐譚というフォーマットの上で、節々の台詞やいたたまれない結末を使い家族の脆さや善悪の判断がつかない人間の弱さなどを表現するあたりにはハッとする。その痛みに一切寄り添わない無慈悲さも恐ろしい。

ただ、大元の歩けなくなるそして死ぬという呪術的な設定に仕掛けが全くなかったのが残念だった。そこを裏切るか、設定が破綻するほど物語が進んでいくことで、受け手を混乱させて尚残るのはあまりに美しい画と音楽というランティモス的な世界がもっと堪能したかった。

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