あの頃、僕らが夢中になったのはこんなレコードだった。

10年弱前のmixiの日記に大学4年間で刺さった10枚みたいなものを書いていたのを偶然見つけた。ほぼ全てインディーロックで時代を少し感じたのと自分可愛いかったなと暖かい眼差しで読んだ。


どうも!今日は僕が大学4年間に聴いたアルバムの中から特に素晴らしかった10枚をピックアップして紹介します。 
興味のない方は僕の牧場に虫でも入れてお引取り下さい。 
それなら公開しなきゃいいじゃないか?もっともです。でもあえて公開するのはちょっと見てもらいたい気持ちもあるからです。笑

スタートする前に注意事項を!今回は70’s~2000’sの中から10枚を選びました。


なぜ、60’s(50’sはともかく)を外したのか。かのピッチフォーク(アメリカの音楽サイト)も60’sはアルバムのランキングを公開せずに、曲のランキングだけに留めてあります。おそらく音楽基地外の集団であろうピッチフォークでも「ごめん、60sはアルバムで順位はつけれねーわ。わかるだろ?」的なことが英語で書いてありました。
それをたかだか4年間音楽をかじった程度の僕が安易に優劣をつけることはできません。70’s以降なら多少なりとも詳しい人とある程度は会話できるんですが、60’sの話になると、「それは何ですか?」の嵐です。60’sは奥が深いし、いちいちクオリティが高いので、それを含めたものは5年後なり10年後なりにでも書けたらいいと思ってます。
一応一つのバンドでアルバム一枚までっていう制限をつけました。それじゃあ、スタート。

No.10 
I Can Hear the Heart Beating as One/Yo La Tengo <1997> 

アメリカの良心!ってよく言われるバンドだけども、ホントにその通りでコンスタントにいいアルバムを作るし、どれをベストに挙げるかはすごく難しい。これと近い時期にでたエレクトロオピューラっていうのも大好きで迷ったんだけどアルバムとしての完成度の高さからこっちを。

このバンドの何がいいかって、音に人柄がすごくよく出てる。得意の3分ポップス系(ストックホルムシンドロームとか)なんかは、家庭生活の延長線上にこの音がありそうだし、長尺系の曲にしてもギターの音はすごくひしゃげてるんだけどどこか暖かい。ロックバンドっていうと、自分達とは離れた世界の存在をイメージしがちだけど、この人たちはふつうのおじさんとおばさん。(おじさんはギター持つと、ノイズおじさんに変身するけど。)すぐ隣に住んでそうな。そこにどこかひとつのクッションがあるというか、だからライブでお遊戯みたいなダンスをしても許されるんじゃないかなんて思う。

No.9 
Entertainment!/Gang of Four<1979> 

ニューウェーヴ、ポストパンク期の名盤として取り上げられることが多いこのアルバムだけど、時代が偶然に生んだ音かっていうとそうじゃなくて、このキレキレでジャキジャキの音は、ドクターフィールグッドから受け継がれてきたものらしい。去年フジでウィルコジョンソン見た時にはギターの音にそこまでキレを感じなかったんだけど、当時の映像を見てみると、面白いくらいにジャキジャキした音を出しててびっくりした。この音をニューウェーヴの解釈でより無機的にしたのがギャングオブフォーだって考えるとすごくしっくりくる。

このアルバムについてだけど、もうひたすらカッコよくて踊りださずにはいられない程のキレと勢い。序盤から中盤にかけての勢いがとまらずに爆発していくような感じがたまりません。映画のマリーアントワネットを見た時に、オープニングでこの曲がフルに近いくらい流れてて、ちょっといじらしい気持ちになった。ソフィアコッポラはずるい。おれも好きな曲あーいう風に使いたい。笑 ちなみにソフィアが映画で使った音楽で一番上手だなと思ったのが、ロストイントランスレーションでのマイブラのサムタイムズ。あれはぞくっとした。

No.8 
Marquee Moon/Television<1977> 

このアルバムが出た頃はちょうどピストルズがイギリスでわいわいやってた頃で、アメリカではちょっと前からニューヨークドールズなんかがやいやいやってた影響もあって、テレビジョンもニューヨーク・パンクのジャンルでくくられることが多いんだけど、これはパンクか?笑 

歌詞はまともに読んだことないけど、詩的で知的な印象まで受ける。 
もちろんアルバム全体を通してすごく完成度が高い。音はとてもシンプルな構成なのに名曲のオンパレード。 
でもなんといってもそこはやっぱりタイトル曲のマーキームーンが群を抜いて素晴らしい。ギターが絡む絡む。そりゃもう官能的なまでに絡む。こんな名曲が生まれた時の気持ちを是非聞いてみたい。 
ちなみに一曲目のSee No Evilには「足、足のー、いぼー」っていう空耳もあります。

No.7 
The Lonesome Crowded West/Modest Mouse<1997> 



はいきた。モデストマウス!僕はこのバンドに関しては断然初期派でこれかファーストかどっちかで迷った。ファーストはアメリカの労働者階級のことを主に詞にしてて、ギターも一貫してヒリヒリした音を鳴らしてるんだけど、どこか救いがない感じがするのでこっちを選んだ。今回えらんだこのセカンドは曲の強弱がハッキリしてるし、音にも柔らかさが出てきたのがファーストよりも進歩してるんじゃないかな。ちょっと前にジョニーマーが加入したけど、正直このバンド自体にものすごくパワーがあるから、あまりプラスには働かなかったんじゃないかな。クリブスに移って正解だと思う。

モデストマウスはアルバム一枚の時間が長いものが多くて、1枚40分推進党の僕としては強く推せないところもあるんだけど、それは抜け出せないアメリカの貧富の差や汚い言葉でのメッセージを伝える為にあるんだと思って目を瞑ります。 
あ、下手糞なのにすごくいい声、歌い方してますこのボーカル。

No.6 
Y/Pop Group<1979> 



気をつけて下さい。全然ポップじゃありません。 
この人達はホントはジャズとかファンクとかそういう音楽がやりたかったみたいなんだけど、技術が追いつかなくて、なんとかうまくやれないかってことでこういう形でアルバムを作ったとのこと。

これもやっぱりニューウェーブ期のミックス感のなせる業じゃないかな。このアルバムがきっかけでダブとかレゲエのアルバムも何枚か聴いてみたけど、うまく雰囲気をそこから持ってきてるのがよくわかった。実際解散後にダブに寄せたアルバムも何枚か作ってるし。

でもそういうテクニック云々な話は抜きにしても、この衝動的な音はなかなかだせるもんじゃないと思う。パンクの形容でよく使われる、初期衝動のような~とは一線を画す本当に衝動的な音。ぜったい需要はあるはずなのにセカンドが廃盤なのが謎。CD1枚に5,000円は出せません。再発を強く希望。

No.5 
Crooked Rain,Crooked Rain/Pavement<1994> 



このときのアメリカはグランジ全盛、太いでかい音が暴れ回ってるような時代。そんな中、うらでひっそりとヘロヘロ、ローファイムーブメントが!ベックなんかもローファイで括られるんだけど、僕に言わせるとベックはローファイじゃない。弱気なこと歌ってればそれはローファイか?違う。笑

このペイブメントこそ、弱気、無気力、ダサい、三拍子揃った真のローファイバンドじゃないだろうか。曲もどこかつかみ所が無くて、ふわふわしてる感じなんだけど、多分それをあえてやってるところが恐ろしい。耳慣れないリズムで進んでいく曲が多いんだけど、下手糞が間違ってたどりつけるようなものではない気がする。ファーストかこのセカンドかで迷うところだけど、生活にフィットしやすく、春に向かうこの時期にうってつけなセカンドを選んだ。 
捨て曲無し、感涙必至のアルバムです。

No.4 
Closer/Joy Division<1980> 



最近やたらとジョイディビジョンのTシャツ着てる人がいて嫌だ。おれが着れなくなるじゃねーか。笑

首吊って自殺したとか、そんなことばっかりが取り上げられてロックのファッションアイコン化してるイアンカーティスだけど、音は間違い無く本物です。このアルバムに関してはは隙みたいな部分が一切無く、文句のつけようがないです。うねるギターあり、絡むギターあり、ベースの音もたってるし、印象的なのはファクトリー的なキシッというドラムの音。24アワーかコントロールか忘れたけど、ファクトリーはドラムの音にものすごく気を使っていてドラマーにドラムを何回も何回も叩かせていたシーンがあった。それの結晶がこの音、じゃないかな。

もちろんニューオーダーも12インチ買うくらい大好きなんだけど、アルバムで選ぶんだったらジョイディビジョンになっちゃうね。他に代わりのきかない凛としたカッコよさ、美しさがすごくよく出てるアルバム。偏見を捨てて、音量高めで、さあどうぞ。

No.3 
Future Days/CAN<1973> 



CANっていうのはドイツのバンドで、ボーカルは日本人のダモ鈴木さんが担当しております。 
去年の後半から僕がジャーマンロックの世界に迷い込んだのはこのバンドのせい。 

CANの何がいいって、延々と続く反復リズムにいろいろ音が乗っかっていくときのあの感じ! 
今のミニマルミュージックの起源はこの時期のドイツにあって、なるほど頷けるものがこのCANにもあります。これはダモ期最後のアルバムで、独特の浮遊感がたまりません。バンドとしてのピークはやっぱりダモがいた3作とその後のババルーマまでだと思うんだけど、他の作品もまだ僕の耳が追いついてないだけかもしれない。約40年前、みんながロックに走る中で、現代のポストロックとでもいうべきこんな音楽を、ふざけたくらいの高レベルでやっていたCAN。もはや笑うしかない!天才!

No.2 
Remain In Light/Talking Heads<1980> 



このアルバムはCDでも持ってるし、レコードでも持ってます。そのぐらい好きな一枚です。 
トーキンヘッズはもうほとんど全部のアルバムが好きなんだけど、とりあえず選べと言われたらこれかな。ファーストの曲のような完璧なポップセンス、サードでのアフリカに若干寄せた感じ、スピーキングインタンズのエレポップ路線、どれも捨てがたい。ただ、このアルバムはその中でも際立って完成度が高い。3枚目から継続してバーンはアフリカンミュージックを取り入れたアルバム作りをこのアルバムでも行ったわけだけど、多分イーノの力も多分にあるんじゃないかな。

バーンとイーノがこのアルバムを作る前に、ソロの共同作として、これよりも幾分実験的なアルバムを一枚つくってるんだけど、それが3枚目のフィアオブミュージックをより奥に押し進めたようなもので、その時点でこの名盤、4枚目に繋がるものがある程度見えていたんじゃないかと思う。このアルバムでのファンクともどこか違う、もっと血沸き肉踊るような独特なサウンドは唯一無二の一言。体が自然に動き出します。このアルバムリリース後にはゲストメンバーを迎えて世界ツアーをしてたみたいでその頃のライブも必見!

No.1 
Hatful of Hollow/The Smiths<1984> 



ありがとうございます。スミスです。なんでクイーンイズデッドじゃないのか?理由は単純で初期スミスこそが僕の中では本当のソフィスティケイトされてないスミスだと思うから。グズグズでダメダメなスミス。メロディーが痛いくらいに沁みる。最高。 

こんだけ書いといてあれだけど、そもそもロックなんていうのはそもそもが騙し、騙されの存在であって、歌詞に共感したり、優しいメロディーなんかに心惹かれても、こちらの問題は何にも解決してないわけで。そんな事実には10代を超えれば大抵の人は気づくし、理解もちゃんとできる。でもなんで古いレコード集めるおっさん達がいなくならないか。単純に騙され続けていたいから、はじめて聞いたときの感傷的な気分を忘れたくないから、そんな理由だと思います。僕もスミスが騙しだってことには気づいてるんだけど、それでもこうして一番上に持ってきてるし、外そうなんて思いません。2万でヨレヨレのスミスTシャツ買ったりします。笑 

似てるとこではウィーザーなんかも騙しだと思うんだけど、繰り返し聞いたことは全然恥ずかしくないしむしろ良かったと思う。騙すこともある種の力だと思うし、これからもできることならどんどん音楽に騙されたい。頑張って60年代掘り進めよう。

2010年02月11日07:20

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