映画『アンダー・ザ・シルバー・レイク』を観る。

『アンダー・ザ・シルバー・レイク』面白かった。
これだけふんだんにポップカルチャーを盛り込めば、何処をどう取り上げても議論が白熱するのは自明で、それはそれで楽しいのだが、個人的には一見複雑そうに見えるストーリーと現代におけるオタクという存在に注目した。

この物語のストーリーは紆余曲折がありながらも、最後これでもかと言わんばかりに明確な落ちがある。
一般的に陰謀論や都市伝説ものの面白さは、①推理の過程と②ラストの信じるか信じないかはあなた次第という2つであり、もちろんこの作品も全編にわたって①は大いに繰り広げられる。

それは冒頭の落書きのメッセージから最後の自室のシーンまで99%がそうと言っていい。しかし、この作品は②が全くない。なぜなら、ラストで主人公が信じた答えが示されるからである。作品中延々と振り回された主人公は最後に全てを踏まえた上で、そこから降りる決断をし物語を終わらせる。

陰謀論や都市伝説を解読した者はそれだけで選ばれた者であり、場合によっては大富豪になりうる可能性すら秘める。しかしこの主人公は、その可能性を他社に譲渡し(自室に◇◇を記し)、隣人の部屋へと向かう。地図上の大がかりな謎解きの矢印が最後の矢印移動に選んだのが歳の離れた隣人だったのは面白い。

この選択は何度か来る母親からの電話とも呼応する。簡単にこじつけ過ぎかも知れないが、マザコンとオタクという個人的に着目したもう一つのテーマである。主人公のルックスとオタク走りのギャップがチャーミングだった。
彼の謎解きの力は紛れもなくオタク的な深堀りの力である。

ネットを使えば誰でもそれ相応の知識が手に入る時代に、その有効な仕分けや使い方、自らの領域においては曖昧さを一切排除して明瞭な回答を導くこと、さらにそれを踏まえて自ら決断する迷いの無さも、今の時代へのメッセージのような気がした。

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