映画『半世界』を観る。

映画『半世界』を観た。
39歳という人生の折り返しを迎えた3人の幼馴染みの話。
タイトルの半世界に込められた意味に注視して観ていたが、特に前半は徹底的に救いのないストーリーが展開される。
余りにも無慈悲で一種の純文学的な物語だと気づいたときから、全てがそう見えてきた。

独り釜で炭を焼く職人、後輩の殉職がトラウマで田舎に戻ってきた元自衛官、地元の中古車販売店店員、息子とのコミュニケーション不全、不健全な父性、田舎の狭い人間関係、陰湿な苛め、漁村の風景、拭いきれない血の力など、小説だったらお手本のような土着文化を扱った文芸作品になっていただろう。

田舎ならではの荒廃した街の描写と自然の豊かさは現代における半世界(反世界)と呼べるものだろう。その他、半分が強調された世界の描写も多くあり、特にラストの日が射しているのに雨が降っている中でのシーンは強く印象に残った。

映画の中で主に描かれるのは3ヶ月という短い期間たが、物語以前もこうやってダラダラと光の見えない毎日が続いてきたこと、そしてこの先も好転することなく日々が続いていってしまうんだろうという事が窺える。この長く苦しい毎日から抜け出した主人公をどう見るか、また世界を知った出戻りの彼の「ここもまた世界」という台詞をどう捉えるか。

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