2019年1月期ドラマ時評 2月末進捗

1話完結の連ドラは型が見えた段階でいつでも切れるし、逆にその型での最上の回が突然来たりする(大げさかもしれないがこのドラマはこの回のためだと思える)ので、簡単には切れないし、その回でドラマの評価を決めたい。
5話の『アタル』や6話の『イノセンス』がまさにそうだった。

もちろん1話ごとに型の中でのバリエーションを作り、その蓄積から神回と呼ばれる回は生まれる。つまり、回を重ねるごとに良い回が来る可能性が上がるのが一般的。ただ、最近の傾向としては中盤あたりに一度完成形を見せ、その精度を基準としてドラマ自体の質が担保されるケースが多い気がする。

『イノセンス』6話

初回から言ってる弁護士が無罪を勝ち取り続けるという設定自体が非現実的なので、そこの解釈を如何に広げるかというのがこのドラマの鍵だが、本作はそこに極めて明確にアプローチをしている。
今回もまさにそうで、結果だけを見れば被告人は無罪判決を受けた。

ただそこに複数の事件を絡め本件では無罪だけど別件では裁かれるべきという被告人の中の二面を用意した上で、無罪を勝ち取った弁護士の正しさという尺度を揺さぶるというというこのドラマの型の一番のテーマが見事に描けていたと思う。ゲストの吹越満・須賀健太の演技も素晴らしかった。

『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』6話

今クールの民放ゴールデンでは間違いなく最も完成度の高いドラマだが、視聴率が悪いらしく、全くと言っていいほど話題になってない。
この完成度の高さを言語化(記事として取り上げる)しにくいのも分かるし、受け手にも伝わりづらいのも分かる。

敢えてここで少し解説すると、ドラマのテーマである昨今社会を騒がせている謝罪会見とその元ネタ(アイドル、企業のセクハラ/パワハラ、スポーツ界、都議会野次、夫/妻のDV、電子決済)についてはリアルタイム性を兼ね備えつつ丁寧に扱われているが、注目すべき点は正直そこではない。

実はこのドラマの凄さは1話完結を支える型の構成自体にある。
まず、主要4人のキャラクターと配置のバランス。コメディに寄りすぎない程度に無駄話を交えじゃれ合いながら、お仕事チームもののような団結力をほぼ感じさせない。
あくまで仕事上の付き合いというリアリティが体現できている。

それを支えているのが、アドリブに近い脚本(実際アドリブも多いと思うが)を書く倉光泰子。ストーリー上の重要な場面では差別を煽りかねない強い言葉を敢えて使い緩急を付けている(後述する氷見の危うさ)部分もさすがだと思う。
後は、何度も言及しているが関和亮の演出・撮影が一目で分かる新しさ。

WOWや去年だと『dele』はなんかは頑張っていたが、まだ民放ドラマでここまでしっかりと画面を作り込んだ作品は少ない。
これからラストに向け、主人公・氷見の素顔が暴かれていく。
1話から徹底して白と黒以外の服を着ていない氷見紅は、シロかクロか。
最後まで目が離せない。
あと泉里香やっぱ好き

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