東方の憂鬱

あるいはバブルが弾けたのかもしれないと思わせるようなニュースが続いている。

5月13日、内閣府が3月の景気動向を「悪化」として公表した。
「悪化」になるのは、2013年1月以来の6年2カ月ぶりだという。
米中貿易摩擦や中国経済の減速などが響いているといわれる。

具体的にも、穏やかでないニュースが次々と報道されている。
たとえば、スルガ銀行の不正融資の合計額は1兆円を超え、17年ぶり971億円の最終赤字だという。

近年、新興企業として躍進してきた企業にも陰りが見られる。
RIZAPは11年ぶり193億の赤字、ぐるなびは最終利益8割減、美容マシーンの「シックスパッド」を手がけるMTGは中国ECの不振や不適切会計の疑いで純利益は98%減だとされる。

メーカーではリストラが開始されている。
日産は4800人以上の従業員を削減する方針を発表、JDIも1000人削減、経営再建中の東芝は新たに350人規模のリストラを行うという。

リーマン・ショックと3.11以来続いてきた、好況あるいはアベノミクス-アベノミクス相場が終わろうとしているのだろうか。

リーマン・ショックの後、ロバート・マンデルによる「国際金融のトリレンマ」が話題になったという。
同じように、ダニ・ロドリックによる「世界経済の政治的トリレンマ」が話題になるのであろうか。

1.『グローバル化と国家主権をとれば民主主義が成立しない』
2.『グローバル化と民主主義をとれば国家主権が成立しない』
3.『国家主権と民主主義をとればグローバル化が成立しない』


日本の近代国家設立としての明治元年(1868年)からおよそ70年で太平洋戦争(1941年)だったのに対して、中国の近代国家設立を中華人民共和国設立の1949年と見てそこから70年目となる現在2019年に米中貿易戦争が行われている。
一帯一路やアジア文明対話大会という構想にも大東亜共栄圏や大東亜会議と重なるものがある。

抑々世界各國ガ各其ノ所ヲ得相扶ケテ萬邦共榮ノ樂ヲ偕ニスルハ世界平和確立ノ根本要義ナリ。然ルニ米英ハ自國ノ繁榮ノ爲ニハ他國家他民族ヲ抑壓シ特ニ大東亞ニ對シテハ飽クナキ侵略搾取ヲ行ヒ大東亞隷屬化ノ野望ヲ逞ウシ遂ニハ大東亞ノ安定ヲ根柢ヨリ覆サントセリ大東亞戰爭ノ原因茲ニ存ス。(『大東亜共同宣言』)

世界=西洋の中心としての欧米で一国的なナショナリズムが高まり国際的な共同体が瓦解しつつあるように見える時(国際連盟、あるいはEU)、東方では西洋に対抗しうる超国家的なアジア運命共同体的が夢想されるのだろうか。

ソビエト連邦は、1922年 – 1991年に存在したけれど、ロシア革命からだいたい74年間でその歴史を終えた。
大日本帝国の存在が明治元年の1968年から1947年だとしたら79年間継続した。
その意味では、あるいは中国はかつて眠れる獅子と呼ばれたその歴史的力を世界に見せるべき時であるのかもしれない。

しかし、考えてみれば、ナショナリズム・愛国運動としての五四運動100周年のその後で、トランプ大統領は中国への制裁をつぶやき、米中の経済戦争は激化した。
そして、アメリカが関税25%への引き上げを正式に通知した7日は中国にとって国恥記念日(5月7日、5月9日)でもあった。

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CoMA
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シミュラークルあるいはシュミラークル。ポスト・トゥルース的、何ものでもない何か。
シミュラークルあるいはシュミラークル。ポスト・トゥルース的、何ものでもない何か。

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