あの頃、僕らが夢中になったのはこんなレコードだった。

10年弱前のmixiの日記に大学4年間で刺さった10枚みたいなものを書いていたのを偶然見つけた。ほぼ全てインディーロックで時代を少し感じたのと自分可愛いかったなと暖かい眼差しで読んだ。


どうも!今日は僕が大学4年間に聴いたアルバムの中から特に素晴らしかった10枚をピックアップして紹介します。 
興味のない方は僕の牧場に虫でも入れてお引取り下さい。 
それなら公開しなきゃいいじゃないか?もっともです。でもあえて公開するのはちょっと見てもらいたい気持ちもあるからです。笑

スタートする前に注意事項を!今回は70’s~2000’sの中から10枚を選びました。


なぜ、60’s(50’sはともかく)を外したのか。かのピッチフォーク(アメリカの音楽サイト)も60’sはアルバムのランキングを公開せずに、曲のランキングだけに留めてあります。おそらく音楽基地外の集団であろうピッチフォークでも「ごめん、60sはアルバムで順位はつけれねーわ。わかるだろ?」的なことが英語で書いてありました。
それをたかだか4年間音楽をかじった程度の僕が安易に優劣をつけることはできません。70’s以降なら多少なりとも詳しい人とある程度は会話できるんですが、60’sの話になると、「それは何ですか?」の嵐です。60’sは奥が深いし、いちいちクオリティが高いので、それを含めたものは5年後なり10年後なりにでも書けたらいいと思ってます。
一応一つのバンドでアルバム一枚までっていう制限をつけました。それじゃあ、スタート。

No.10 
I Can Hear the Heart Beating as One/Yo La Tengo <1997> 

アメリカの良心!ってよく言われるバンドだけども、ホントにその通りでコンスタントにいいアルバムを作るし、どれをベストに挙げるかはすごく難しい。これと近い時期にでたエレクトロオピューラっていうのも大好きで迷ったんだけどアルバムとしての完成度の高さからこっちを。

このバンドの何がいいかって、音に人柄がすごくよく出てる。得意の3分ポップス系(ストックホルムシンドロームとか)なんかは、家庭生活の延長線上にこの音がありそうだし、長尺系の曲にしてもギターの音はすごくひしゃげてるんだけどどこか暖かい。ロックバンドっていうと、自分達とは離れた世界の存在をイメージしがちだけど、この人たちはふつうのおじさんとおばさん。(おじさんはギター持つと、ノイズおじさんに変身するけど。)すぐ隣に住んでそうな。そこにどこかひとつのクッションがあるというか、だからライブでお遊戯みたいなダンスをしても許されるんじゃないかなんて思う。

No.9 
Entertainment!/Gang of Four<1979> 

ニューウェーヴ、ポストパンク期の名盤として取り上げられることが多いこのアルバムだけど、時代が偶然に生んだ音かっていうとそうじゃなくて、このキレキレでジャキジャキの音は、ドクターフィールグッドから受け継がれてきたものらしい。去年フジでウィルコジョンソン見た時にはギターの音にそこまでキレを感じなかったんだけど、当時の映像を見てみると、面白いくらいにジャキジャキした音を出しててびっくりした。この音をニューウェーヴの解釈でより無機的にしたのがギャングオブフォーだって考えるとすごくしっくりくる。

このアルバムについてだけど、もうひたすらカッコよくて踊りださずにはいられない程のキレと勢い。序盤から中盤にかけての勢いがとまらずに爆発していくような感じがたまりません。映画のマリーアントワネットを見た時に、オープニングでこの曲がフルに近いくらい流れてて、ちょっといじらしい気持ちになった。ソフィアコッポラはずるい。おれも好きな曲あーいう風に使いたい。笑 ちなみにソフィアが映画で使った音楽で一番上手だなと思ったのが、ロストイントランスレーションでのマイブラのサムタイムズ。あれはぞくっとした。

No.8 
Marquee Moon/Television<1977> 

このアルバムが出た頃はちょうどピストルズがイギリスでわいわいやってた頃で、アメリカではちょっと前からニューヨークドールズなんかがやいやいやってた影響もあって、テレビジョンもニューヨーク・パンクのジャンルでくくられることが多いんだけど、これはパンクか?笑 

歌詞はまともに読んだことないけど、詩的で知的な印象まで受ける。 
もちろんアルバム全体を通してすごく完成度が高い。音はとてもシンプルな構成なのに名曲のオンパレード。 
でもなんといってもそこはやっぱりタイトル曲のマーキームーンが群を抜いて素晴らしい。ギターが絡む絡む。そりゃもう官能的なまでに絡む。こんな名曲が生まれた時の気持ちを是非聞いてみたい。 
ちなみに一曲目のSee No Evilには「足、足のー、いぼー」っていう空耳もあります。

No.7 
The Lonesome Crowded West/Modest Mouse<1997> 



はいきた。モデストマウス!僕はこのバンドに関しては断然初期派でこれかファーストかどっちかで迷った。ファーストはアメリカの労働者階級のことを主に詞にしてて、ギターも一貫してヒリヒリした音を鳴らしてるんだけど、どこか救いがない感じがするのでこっちを選んだ。今回えらんだこのセカンドは曲の強弱がハッキリしてるし、音にも柔らかさが出てきたのがファーストよりも進歩してるんじゃないかな。ちょっと前にジョニーマーが加入したけど、正直このバンド自体にものすごくパワーがあるから、あまりプラスには働かなかったんじゃないかな。クリブスに移って正解だと思う。

モデストマウスはアルバム一枚の時間が長いものが多くて、1枚40分推進党の僕としては強く推せないところもあるんだけど、それは抜け出せないアメリカの貧富の差や汚い言葉でのメッセージを伝える為にあるんだと思って目を瞑ります。 
あ、下手糞なのにすごくいい声、歌い方してますこのボーカル。

No.6 
Y/Pop Group<1979> 



気をつけて下さい。全然ポップじゃありません。 
この人達はホントはジャズとかファンクとかそういう音楽がやりたかったみたいなんだけど、技術が追いつかなくて、なんとかうまくやれないかってことでこういう形でアルバムを作ったとのこと。

これもやっぱりニューウェーブ期のミックス感のなせる業じゃないかな。このアルバムがきっかけでダブとかレゲエのアルバムも何枚か聴いてみたけど、うまく雰囲気をそこから持ってきてるのがよくわかった。実際解散後にダブに寄せたアルバムも何枚か作ってるし。

でもそういうテクニック云々な話は抜きにしても、この衝動的な音はなかなかだせるもんじゃないと思う。パンクの形容でよく使われる、初期衝動のような~とは一線を画す本当に衝動的な音。ぜったい需要はあるはずなのにセカンドが廃盤なのが謎。CD1枚に5,000円は出せません。再発を強く希望。

No.5 
Crooked Rain,Crooked Rain/Pavement<1994> 



このときのアメリカはグランジ全盛、太いでかい音が暴れ回ってるような時代。そんな中、うらでひっそりとヘロヘロ、ローファイムーブメントが!ベックなんかもローファイで括られるんだけど、僕に言わせるとベックはローファイじゃない。弱気なこと歌ってればそれはローファイか?違う。笑

このペイブメントこそ、弱気、無気力、ダサい、三拍子揃った真のローファイバンドじゃないだろうか。曲もどこかつかみ所が無くて、ふわふわしてる感じなんだけど、多分それをあえてやってるところが恐ろしい。耳慣れないリズムで進んでいく曲が多いんだけど、下手糞が間違ってたどりつけるようなものではない気がする。ファーストかこのセカンドかで迷うところだけど、生活にフィットしやすく、春に向かうこの時期にうってつけなセカンドを選んだ。 
捨て曲無し、感涙必至のアルバムです。

No.4 
Closer/Joy Division<1980> 



最近やたらとジョイディビジョンのTシャツ着てる人がいて嫌だ。おれが着れなくなるじゃねーか。笑

首吊って自殺したとか、そんなことばっかりが取り上げられてロックのファッションアイコン化してるイアンカーティスだけど、音は間違い無く本物です。このアルバムに関してはは隙みたいな部分が一切無く、文句のつけようがないです。うねるギターあり、絡むギターあり、ベースの音もたってるし、印象的なのはファクトリー的なキシッというドラムの音。24アワーかコントロールか忘れたけど、ファクトリーはドラムの音にものすごく気を使っていてドラマーにドラムを何回も何回も叩かせていたシーンがあった。それの結晶がこの音、じゃないかな。

もちろんニューオーダーも12インチ買うくらい大好きなんだけど、アルバムで選ぶんだったらジョイディビジョンになっちゃうね。他に代わりのきかない凛としたカッコよさ、美しさがすごくよく出てるアルバム。偏見を捨てて、音量高めで、さあどうぞ。

No.3 
Future Days/CAN<1973> 



CANっていうのはドイツのバンドで、ボーカルは日本人のダモ鈴木さんが担当しております。 
去年の後半から僕がジャーマンロックの世界に迷い込んだのはこのバンドのせい。 

CANの何がいいって、延々と続く反復リズムにいろいろ音が乗っかっていくときのあの感じ! 
今のミニマルミュージックの起源はこの時期のドイツにあって、なるほど頷けるものがこのCANにもあります。これはダモ期最後のアルバムで、独特の浮遊感がたまりません。バンドとしてのピークはやっぱりダモがいた3作とその後のババルーマまでだと思うんだけど、他の作品もまだ僕の耳が追いついてないだけかもしれない。約40年前、みんながロックに走る中で、現代のポストロックとでもいうべきこんな音楽を、ふざけたくらいの高レベルでやっていたCAN。もはや笑うしかない!天才!

No.2 
Remain In Light/Talking Heads<1980> 



このアルバムはCDでも持ってるし、レコードでも持ってます。そのぐらい好きな一枚です。 
トーキンヘッズはもうほとんど全部のアルバムが好きなんだけど、とりあえず選べと言われたらこれかな。ファーストの曲のような完璧なポップセンス、サードでのアフリカに若干寄せた感じ、スピーキングインタンズのエレポップ路線、どれも捨てがたい。ただ、このアルバムはその中でも際立って完成度が高い。3枚目から継続してバーンはアフリカンミュージックを取り入れたアルバム作りをこのアルバムでも行ったわけだけど、多分イーノの力も多分にあるんじゃないかな。

バーンとイーノがこのアルバムを作る前に、ソロの共同作として、これよりも幾分実験的なアルバムを一枚つくってるんだけど、それが3枚目のフィアオブミュージックをより奥に押し進めたようなもので、その時点でこの名盤、4枚目に繋がるものがある程度見えていたんじゃないかと思う。このアルバムでのファンクともどこか違う、もっと血沸き肉踊るような独特なサウンドは唯一無二の一言。体が自然に動き出します。このアルバムリリース後にはゲストメンバーを迎えて世界ツアーをしてたみたいでその頃のライブも必見!

No.1 
Hatful of Hollow/The Smiths<1984> 



ありがとうございます。スミスです。なんでクイーンイズデッドじゃないのか?理由は単純で初期スミスこそが僕の中では本当のソフィスティケイトされてないスミスだと思うから。グズグズでダメダメなスミス。メロディーが痛いくらいに沁みる。最高。 

こんだけ書いといてあれだけど、そもそもロックなんていうのはそもそもが騙し、騙されの存在であって、歌詞に共感したり、優しいメロディーなんかに心惹かれても、こちらの問題は何にも解決してないわけで。そんな事実には10代を超えれば大抵の人は気づくし、理解もちゃんとできる。でもなんで古いレコード集めるおっさん達がいなくならないか。単純に騙され続けていたいから、はじめて聞いたときの感傷的な気分を忘れたくないから、そんな理由だと思います。僕もスミスが騙しだってことには気づいてるんだけど、それでもこうして一番上に持ってきてるし、外そうなんて思いません。2万でヨレヨレのスミスTシャツ買ったりします。笑 

似てるとこではウィーザーなんかも騙しだと思うんだけど、繰り返し聞いたことは全然恥ずかしくないしむしろ良かったと思う。騙すこともある種の力だと思うし、これからもできることならどんどん音楽に騙されたい。頑張って60年代掘り進めよう。

2010年02月11日07:20

映画『20センチュリー・ウーマン』を観る。

オープニングから車が燃える。

家に戻ると、部屋ではトーキング・ヘッズが流れている。
トーキング・ヘッズの曲では燃えていたのは車ではなく家だったはずだが、舞台の79年の世界ではBurning Down The Houseはまだリリースされていない。
不思議な違和感を覚えるが、この導入部で既にして監督の手の内に入ってしまった。

主人公の少年と、彼を取り巻く女性達の物語で大筋では驚くような内容では無い。

観終わった後はなぜこんなに良かったのか、説明することがとても難しい作品であるように感じた。
素晴らしいダンスシーンが多く、それも自分の評価の一つではあると思う。
(良い映画にはダンスシーンは欠かせない)

後にマイク・ミルズのインタビューを読んでいると、少し自分の評価の理由がわかってきた。

前作は未見だが、今作と同様に家が舞台の映画だそうだ。
インタビュアーが指摘する、
”そういえばトーキング・ヘッズにも家をモチーフとした曲が多いですね。”

確かにそうだ。
前述のBurning Down The House然り、This Must Be The Place然り。

作り手が家や家族をテーマにする理由は何か?

小津も家をテーマとした作品を撮り続けたが、彼が真に撮りたかったのはそこにある普遍性だと思う。
過去にも現在にも未来にも変わらない普遍性。

この作品で描かれる瑞々しい憂いや、それを写した心象のような鮮やかな映像にはこの普遍性がある。

きっと誰でも記憶の断片と結びついてしまったり、自分の過去を追体験しているような感覚。

もちろん思い込みで錯覚であるのだが、この感覚に気持ち良く入り込めたのは久しぶりだ。

余談だがBlack Flagのファンの少年との闘争のシーンや、ニューヨークのアートスクールを出た赤毛の彼女がSuicideをかけるシーン等、細部にも”それっぽさ”が非常に効いていた。

映画『溺れるナイフ』を観る。

友人と飲んでいて、この映画の話題になった。
自分の手ではまず選ばない作品だ。

毎週毎週新作が公開されて、消費されていく映画。
ティーン向けのもの、予算をかけたSFもの、アニメーションもの。
人生には限りがあり、映画視聴のために使える時間にも限りがある。
限られた時間を豊かで濃いものにしたいと考えるのは自分にとっては非常に合理的なことだ。
10代後半から20代前半の頃は好奇心と感受性に任せていろいろな作品に触れる機会があった。
多くの作品に触れると、自分の趣向や良い作品の見つけ方のようなものが何となく感覚的にわかってくる。
選択のブラッシュ・アップとでも、嗅覚とでも言うべきだろうか、ともかく、出来の悪いものに出会う機会は極端に減ってくる。
反面、知識や経験が増えていくにつれ、過去にあった体を貫くような感動の機会も少なくなっていく悲しいジレンマがある。

話が逸れた、溺れるナイフの話だ。

観終わった後で、監督について調べた。
自分より歳下の監督で、上智の哲学科を出て、ミュージック・ビデオもいくつか撮っている。
確かに断片で良いカットがいくつかあった。
10代の不安定さ、脆さ、その先に広がる未来。
偶発的か、意図的に捉えたかはわからないが、その年令にしか出せないある種の一瞬の輝き。
往々にしてその輝きには、後から気付く。
後から、もう取り戻せないと気付く。

”若くて綺麗な内に撮ってもらうのも良いんじゃない?”
と母が言った。

この点と点が意図されたものであれば、もっと良い作品が今後観られるかもしれない。

映画『T2 トレインスポッティング』を観る。

前作を観たのはいつだろうか。
後追い世代なので、おそらく10年程前。

バンドの再結成の大半がそうであるように、これほど年を経た続編というものは”やらない方が良かった”という結論になることが多い。

ところがこの”T2″はどうだろう。

4人と同じように、我々も年を取り、時代は変わった。

マーク・レントンがイギーポップのアナログ盤に針を落とす、針を上げる。
マーク・レントンがイギーポップのアナログ盤に針を落とす。

この演出が全てではないだろうか。

人生は繋がっている。

映画『たかが世界の終わり』

主人公が10数年振りに実家に帰る。

大きな出来事は無く、観た後も確かな情報は得られない。

私達は家族の表情、振る舞い、性格から空白の10数年を想像する。

エンドロールに切り替わった時に思わず笑ってしまった。

クールな映画は観客を選ぶ。

説明過多でおしゃべりな映画とは対極にある作品。

‪病院

‪病院に行った。彼女の名前を伝え病室を聞き出して訪ねると、ベッドの四方にはぴったりとカーテンが張り巡らされていた。‬
‪恐る恐るカーテンを捲ると、眠っている彼女の身体にいくつも管が下がっていた。‬
‪自分が普段眼を瞑っていた事が急に表出したかのような光景に呆然として暫く立ち竦んだ。‬
勿論大した病気では無い。
しかし否応にも無くイメージが湧いてくる。
死のイメージ。

15年程前に祖父が亡くなった。
自分にとっては近しい人が去った初めての事だった。
末期癌で、最期には苦しむ事が無い様にと薬が投与された。
普段関わりの薄い、親等の近い者だけが最期に病室に通され言葉を交わしに行った。

自分は祖父を愛していた。祖父も自分を愛していた。これは揺るぎの無い事実だったと思う。
子供だから、孫だから、まして血が繋がっていないからという理由で遠ざけられることの意味が全く分からなかった。それは今も分からない。

死のイメージ。

これから歩行訓練がある。見られたくないから帰って、と彼女は意思の強い眼で僕に言った。分別のある大人を演じて病室を出た。

初めて結婚しようと思った。

映画『ニーナ・シモン 魂の歌』(2015年製作の映画)(原題:What Happened Miss Simone)

ビフォアサンセットのラストでジュリーデルピーがニーナシモンのモノマネをし、レコードに針を落としエンドロールを迎える。

クールな幕引きトップテン執筆の依頼を受ければ、ランクイン間違いなしのお気に入りのシーンだ。

そのニーナシモンのドキュメント。

ミュージシャンとしての、ではなく黒人として、母としての側面を多く見せた構成。

リベリア移住から晩年のヨーロッパまでは知らない部分が多かった。

”彼女のアジテートするような歌詞には他のミュージシャンにありがちな胡散臭さが全く無い”
といったようなセリフがあったが、それは彼女の絶対的な音楽強度に裏付けされているもので当たり前の話だろう。

Netflixに感謝。

映画『ブルーに生まれついて』(2015年製作の映画)

コルトレーンの”A Love Supreme”、Bill Evans&Jim Hallの”Undercurrent”、浅川マキの”裏窓”、New Orderの”権力の美学”と並んで、”Sings”はいつも部屋の壁に立てかけてある愛聴盤の一つだ。

これまでChet Bakerを聴く時は50年代の作品が多く、後期のモノはどこか敬遠していたように思う。
今回の映画は後期に向かっていくストーリー。

イーサン・ホークはよく演ったと思うが、上手いとか努力とかいったことでは音楽的な強度は出せない。
そこを除けばバードランドで演奏する意味だとか、マイルスのカリスマ性なんかが垣間見得てとても楽しく観られた。

エンドロールに向かうまでのシーンがクール。
ここでいうBlueの、灰みがかったようなニュアンスが上手く映像で体験できたような気がする。

映画『こわれゆく女』(1974年製作の映画)

先日アナログTVが遂に壊れ、シャープの薄型TVに切り替えた。
鑑賞後、役者が話し始めるが、所々しか字幕が出ない。
なるほどジョンカサヴェテスともなると字幕の付け方にもこだわり、言葉よりも感覚的に訴えるように作っているのか、と思いながらも眉間にシワを寄せながら耳に全神経を集中し、半分ほどまで観た。

集中の甲斐あってか、かなり前のめりに映画に入り込むことに成功した。
しかしわからない。言葉の3割程がどうしても聴き取れない。
今まで前衛的な映画もいくつか観てきたが、この字幕の付け方は鑑賞者にとってあまりにも不誠実だ。
恐る恐る、私はリモコンの画面サイズのボタンを押してみた。
するとどうだろう。流れるような字幕。たちまち饒舌になる役者達。
やれやれだ。

そんなパーソナルアフェアはさておき、紛れもない名作だった。
難しいことは言えないが、愛を描くことに成功している数少ない作品。

映画『ショート・カッツ』(1993年製作の映画)

これが人生である。これが現実である。と言ってしまうのは、確かにそうではあるがどこか思考を放棄した感が残る。

小津は家族という括りで、誰もが当たり前と思い込んでしまっていること、あるいは当たり前と思わなければいられないようなことに疑問をぶつけたが、アルトマンもケースは違えど同じ事をこの映画で表現していたと思う。

隣人の死に痛みを感じるか?
大地震の死者が1名で安堵するか?

好きな主題だ。

映画『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』(2014年製作の映画)

ベルセバが作った映画、と想像して期待を超えも外れもしない作品だった。

音とスチュアートの趣向を映像化したらこうなるだろうな、といった2時間弱。

本人に聞いてみたいのは、あなたはまだ自分で歌いたいですか?ということ。

自分のバンドから離れて、他人に演奏させる、演じさせるというのはどんな思いがしたのかな。

映画『東京流れ者』(1966年製作の映画)

鈴木清順を初めて観た。
色と構図に驚いて、時計仕掛けのオレンジと製作年を比べてしまった。
粗さとスタイリッシュさのミスマッチで力み無く鑑賞できた。
キルビルのオールブルーバックのチャンバラシーンなんかも、もしかしたら影響下にあるのかも。
東京流れ者の7インチは今後掘り出したい一枚。

映画『恋人たち』(2015年製作の映画)

希望の話。

映画の登場人物達とまではいかなくても、現代の多数の人々の暮らしや心情をリアルに映していたように感じた。

日本は自殺者が多い、と数字上で語られることが多いと思うがそもそも人間は”生きる”ということが遺伝子的に組み込まれているのだと改めて思った。

殺せない、死ねない。

それならばとにかく生きるしかないのだと思う。

たとえ1ミリの希望でも、前を向くには、天を仰ぐには、充分過ぎる理由になるのかもしれない。

映画『海街diary』(2015年製作の映画)

悪くない。
鎌倉といえば嫌が応にも小津作品と比べてしまう。
綾瀬はるかに原節子を重ねて鑑賞。
原節子は家を出るが、綾瀬はるかは家に留まる。
結婚、女性の自立といった時代背景の違いはもちろんあるけども。
歩いても歩いても、に続く是枝監督の佳作だと思う。

映画『わたしはロランス』(2012年製作の映画)

話題のグザヴィエ・ドラン初鑑賞。
トランスジェンダーを扱ったものに好きな作品が無かったが、これはちょっと別かもしれない。
映像センス、ストーリー、自分より下の年齢の監督がどういう育ち方をしたのか気になった。
オープニングで馴染みある曲が使われていて、ナイフの片割れの…
あ、Fever Rayか。と思い出すまでに時間がかかり、自分と音楽との距離を感じた。

映画『インヒアレント・ヴァイス』(2014年製作の映画)

劇場で見逃したので、レンタル。

トマスピンチョンのことはよく知らない。何年か前にフジロックに行った時、友人がピンチョンの本を持参しており、(野外ロックフェスに本!)
テントの雨漏りでピンチョンが本として機能しなくなったのを覚えている。

まさにインヒアレント・ヴァイス。(潜在的な欠陥)

映画について、結局内容はよく分からない。
恐らくもう一度見ても、人物関係が少し整理されるくらいで理解度は変わらないだろう。

インヒアレント・ヴァイスの意味を何処に見出すか。
アメリカという国か、この映画自体か、それとも観ているこちら側か。

複雑で難解な映画では無い。

ポール・トーマス・アンダーソンは分からないことが良く分かっている。

映像の質感、リズム、センスとナンセンス、70年代の音楽、まさかのジョアンナ・ニューサムまで楽しめた。

映画『セッション』(2014年製作の映画)

音楽を扱った映画にも関わらず、音楽の美しさがあまり伝わってこない。
鬼教官vs生徒の図式でイライラしたりスッキリしたり、という見せ方にしようとしているのはわかるがイマイチ足りない。

映画のスピード感で、ある程度見られる出来にはなっていた。

ただ、最後のシーンが圧巻、と広告にあったがこれが良くない。
演奏の裏に見えるものが薄く、体育会的なドラムを叩いているだけ。

比べるのはどうかと思うが、この映画のラストシーンに無いものがフラガールのラストシーンにはある。

『ロング・グッドバイ』(1973年製作の映画)

原作は読んだことが無い。
ただ、ここからあらゆるものが影響を受けたんだろうなというシーンばかり。

こないだ買ったスタジオボイスのテーマが“クールの定義”だったのだけど、クールの条件がとてもバランス良く揃っていたように感じた。
クールとは?と若者に問われたら勧めたい一本。
何とも言えない画面のザラつきが素晴らしい70’s映画。

映画『仁義なき戦い 広島死闘篇』(1973年製作の映画)

台詞は広島弁がキツく、何を言ってるのかわからない箇所が多々。ストーリーについても全てを理解するのにはある程度の背景知識が必要。

けれどもそれが映画の質を落としているか?
それがどうしたと言わんばかりの100分間。

ゴキブリのような肌で暴れる千葉真一、常に渇きを持った北大路欣也の眼。

生き生きと、という表現では足りない、何か時代性と若さが混ざり合った熱い塊をぶつけられているような感覚が続く。最高だろ。

魔法がかかる、という表現についての聴覚的回答

よく耳にする言葉だけれど、はっきりとした定義がわからないもの。

特に音楽を言葉で表す時にそういうものに出くわすケースが多い。(のではないかと)
グルーヴ、メロウ、スウィング、アーバン…

(”アーバン”に関しては山下達郎がmm…oh! Honey!
と歌う時に感じるキラキラとした感覚がそれだとベイビーキッズ達に伝えるようにしています。)

今回の主題は”魔法がかかった”という表現について。

2015年現在僕達一般の人間にとって、意図して何かに魔法をかけることはできません。
ただ、ある偶然や必然の事情が絡まることで初めて意図せず”魔法がかかる”ことがあります。

今回紹介するレコードは1963年のミラクルズのライブ盤、”The Miracles On Stage”
(魔法と言っておきながら、ミラクルズ・オン・ステージというタイトルに齟齬は感じますが笑)

タイトルで検索にかけても日本語ページがあまりヒットせず、youtubeでも音源が出てこないので一般的には評価を得ているアルバムでは無いと思うのですが、是非ご一聴を。
ブートでは無くきちんとTamlaからリリースされています。

録音環境も悪く、演奏も歌もそれぞれ出来が良いわけではないのですが、観客の声、演者の息遣いがあいまって見事にライブというものの一回性を閉じ込めた素晴らしいアルバムに仕上がっています。
B面の終わり、おなじみ”抱きしめたい”からの”Way Over There”の流れには音楽の心地よさや空間芸術性(言い過ぎかな)が詰まっています。

”魔法がかかる”

お解り頂けるでしょうか?

mp3では無く、ノイズ混じりのアナログでご賞味下さい。

Wet Summer

Wet Summer by Heiwagokko on Mixcloud

Tracklist
1. Like someone in love by Chet Baker
2. Skinny Dipping by Δ Δ
3. See thru to you by Flying Lotus
4. You & Me by Disclosure
5. Drama cum drama by Autre Ne Veut
6. Crush by Jai Paul
7. Eple by Royksopp
8. Summer Time by Peggy Lee
9. Am i confused? by Quasimoto
10. Midnight Journey by Thallus
11. 2 Tha Left by Dynamic Syncopation (Feat Mass Influence)
12. Angels in the rain ft. indi kaur by Pinch
13. COPELAND RUMORS UNMASTERED by Inga Copeland
14. Kulun Mankwalèsh by Tlahoun Gessesse
15. Tang Ngarn Si Nong by Dao Bandon
16. Way Over There by Smokey Robinson & the Miracles

Mixtape For Valentine

Mixtape For Valentine by Heiwagokko on Mixcloud

Tracklist
1. Opening by secret
2. Ba by Love by Diana Ross
3. You are everything by Marvin Gaye
4. Crazy in Love by ANTONY & THE JOHNSONS
5. I Fall In Love To Easily  by Chet Baker
6. I Wish I Knew by Nina Simone
7. Jasmine by Jai Paul
8. Luv connection by Tei Towa
9. Lover Of Mine by Beach House
10. Ba by  by Donnie & Joe Emerson
11. My Love by New Age Steppers
12. Bonnie and Clyde by Serge Gainsbourg
13. I’m Not In Love by 10cc
14. Say You Love Me by Patti Austin
15. Closing by Dead Actress
16. My Funny Valentine by Chet Baker

Out of Date 80’s

Out of Date 80’s by Heiwagokko on Mixcloud

Tracklist
1. UNKNOWN
2. Mad World by Tears For Fears
3. Don’t You Want Me by The Human League
4. UNKNOWN
5. Roxanne by The Police
6. UNKNOWN
7. For Summer by Alkalino
8. UNKNOWN
9. Living Through Another Cuba (2001 – Remaster) by XTC
10. UNKNOWN
11. Final Day (Taken From The Final Day Single) by YOUNG MARBLE GIANTS

For The Empty Night

For The Empty Night by Heiwagokko on Mixcloud

Tracklist
1. Falling by Julee Cruise
2. Getting Me Down by Blawan
3. The Narcissist (feat Inga Copeland) by DEAN BLUNT
4. Between friends by Flying Lotus feat. Earl Sweatshirt&Captain Murphy
5. Anti-matter feat. MF Doom & Mr. Fantastik by King Geedorah
6. 110 by Jessie Ware
7. I NEVER TOLD YOU by Triad God
8. Let Me Down Easy Ft. Marcus Fench) (DatPiff Exclusive) by Jeremih
9. Exercise 5 (September) by Cfcf
10. Jardin by Actress
11. John the Revelator by Nicolas Jaar
12. Cloudy, Since You Went Away by The Caretaker

Mellow Trash

Mellow Trash by Heiwagokko on Mixcloud

Tracklist
1. This D.J. by Warren G
2. The Next Moment by The Roots
3. Wen UUU by Shlohmo
4. Sparks by Royksopp
5. Slack by Itumoomou
6. Tofubeats by Suisei
7. John the Revelator by Nicolas Jaar
8. 2 by Dean Blunt & Inga Copeland
9. Brain Storm by Mark Mcguire
10. It Was U by How Tow Dress Well