2018年4月期 ドラマ評(概観)

4月期ドラマも半分ほどが初回を迎えたのでざっと総評。 全体的に少し低調のような気がしてしまうが、期待したい。 『コンフィデンスマンJP』 連ドラは3年ぶりの古沢良太の脚本。昨今恐らく誰も引き受けたがらない月9枠は、前作『デート』と同枠。 古沢は前作からの3年の間に映画の脚本を何本か書いていて、その影響が色濃く出ている。 ただ、古沢の特徴であるキャラ造形や膨大な台詞量に魅力を感じる一方、特に連ドラで描くべき作品なのかという疑問が残る。制作陣から取り敢えず何でもいいので月9で書いて下さいと丸投げされ、それをこなしているように感じてしまう。 第2話を通して 初回の暴走する展開にがっかりしたが、今回は良かった。 初回では昨今の映画での古沢脚本との近接性を感じたが、2話でようやく『リーガル・ハイ』のリブートをおこなうという狙いに気づいた。 『リーガル・ハイ』は12年と13年の連ドラなので、あれから5年か。 『リーガル・ハイ』は悪人や悪事に対して、人間的には変態ではあるものの司法という公的な武器で対峙する辛うじて「正義」が存在する物語だった。一方、本作の主人公は詐欺師。つまり「法律」や「正義」が悪...

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映画『きみへの距離、1万キロ』/『さよなら、僕のマンハッタン』を観る。

昨日『きみへの距離、1万キロ』と『さよなら、僕のマンハッタン』を見てきた。 どちらも90分前後でコンパクトにまとまった良作だった。 『きみへの距離、1万キロ』 随所にコンプライアンスやプライバシーにおいてアウトだろうという点があったけど、設定上ということもあるが極端に少ない台詞の中に「誰かの脅威がビジネスになる」とか「運命の人は一人じゃなくていい」など、輝くものがあった。 本作は特にラストシーンの重複が意図的としか思えないほど『君の名は。』的で、つまりネットが普及し誰といつどこでも瞬時につながれる時代に“すれ違いの恋”というシチュエーションを作れるかというのが創作の原点にある。 とはいえ、『君の名は。』はアニメということもあり時間をズラすというファンタジーでシチュエーションを作ったが、本作は現実で起こり得る可能性を担保しつつ、それを限界まで狭めたという設定。 石油パイプライン監視・ロボット遠隔操作・アメリカと北アフリカ・国境を越えるなど、現代的な切り取り方も良かった。 『さよなら、僕のマンハッタン』 『さよなら、僕のマンハッタン』良かった。 僕は去年の年べス10位に『ギフテッド』を入れ...

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映画『心と体と』を観る。

『心と体と』 孤独に生きる女と人生を諦めた男。 二人を結びつけたのは鹿の夢。幻想と現実が交錯する愛の物語。 <STORY> ハンガリー、ブダペスト郊外の食肉処理場。代理職員として働くマーリアはコミュニケーションが苦手で職場になじめない。 片手が不自由な上司のエンドレは彼女を気に掛けるが、うまく噛み合わず…。 そんな不器用な二人が急接近するきっかけは「同じ夢を見た」ことだった。 恋からはほど遠い孤独な男女の少し不思議で刺激的なラブストーリー。 映画『心と体と』を観た。 今年の暫定トップ5に入るくらい心が動かされた。 この映画は実は幾つもの対比から出来ていて、まず一番分かりやすいのが夢と現実。 それから、気配や空気という観念的なものと生々しいまでの現実。 撮影も人の視点で捉えた手持ちの映像と固定で無機的な映像。後は赤と白の色など。 全ての要素が観念と現実で大別されていて、最後にそれが不穏な空気と共に重なりあってしまう。 この一貫した構造だけでも素晴らしいのに、冒頭のシーンのマーリアが日向に出たつま先だけを陰に向かって引くシーンや男女のシーンでの目線の追い方や切り方を繊細に捉えるシーンなど美...

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映画『レディ・プレイヤー1』を観る。

この作品は「私小説」ならぬ「私映画」だ。スピルバーグとハリデーの、大きな大きな「私」の物語だ。 VRが文字通りもう一つの現実と化した未来でありながら、この世界を彩るのは特定の年代の特定のカルチャーばかり。 オアシスの世界は言わば一冊の自伝で、それを読み解くプレイヤーは、この『レディ・プレイヤー1』を読み解こうとする観客と重なる。丹念に読み、行間に隠されたヒントを拾う。主人公のハリデーオタっぷりはテクストを精読する研究者のよう。 この映画を観て感じるのは、小さく、狭い方向に向かう力が大きなものを生み出しているということ。 世界と上手く繋がれなかったオタク少年がもう一つの世界を創造し、作り手の私的な記憶が多くの観客の記憶と結びつく。 「私」という小さな人称にとてつもない広さがある。 「私」への埋没こそが世界を創造し、つながりをもたらすということ。 あるいは、オアシスは仮想現実というよりも、むしろ「もう一つの」現実と呼んだ方がしっくりくる。 あちらも現実、だがこちらも現実。どちらか片方が本物なのではなく。 それは、ある意味では世界の多元的存在構造を示すこと、僕らが「いまここ」で見ているのはひ...

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映画『ちはやふる -結び-』を観る。

『ちはやふる 結び』瑞沢の三年間と真島太一の成長物語に最高の決着を付けた完結編。 超絶技巧で描かれるかるたの格好良さ。名人の言葉と、もがき続けた先の太一の姿に胸が熱くなる。 青春という「一瞬」から継承という「永遠」へ、部活映画の枠を越えたスケールの着地に心が震えた。 『上の句』で「青春全部懸けたってあいつには敵わない」と言っていた太一は『結び』で「原田先生や周防さんが懸けているものは、青春どころか(人生すべて)」だと気付く。 太一とともにこの作品の視野も、高校三年間から人生そのもの、そしてそれすら包み込む大きな時間へ開けていく。 千年前の思いを百人一首が今に伝える、というモチーフは『上の句』からあったけど、『結び』では今を未来へ伝えるという視点が加わった。 自分の強さを周囲へ分け与えること、先輩から後輩へ部の記憶を伝えていくこと。 千早が後輩二人に「素敵なことが始まったと思った」と言ったのは、自分たちがいなくなった後にも残るものができて、かるた部で過ごした時間が、奏の言う「千年先に残る歌」になったと感じたからではないか。 『結び』に強く感動させられるのは、この作品が時を越えることについ...

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映画『聖なる鹿殺し』を観る。

『聖なる鹿殺し』を観た。 ランティモス監督の前作『ロブスター』を観たときにあまりにはまってしまって、もちろんその年のぶっちぎりの年間ベストだったんだけど、そのせいでハードルが上がりすぎてたのか正直心から絶賛はできなかった。 理由の1つが、脚本というか物語の筋があまりにシンプル過ぎたというところ。前作『ロブスター』は物語が誰も意図しない方へ加速度的に転がっていき、その奇想天外ぶりと洗練された映像・音楽のバランスが完璧だった。 本作も、撮影・音楽に関しては文句なく最上のスタイリッシュさなんだけど、如何せん物語がシンプルすぎて、しかも最後に大どんでん返しもない。 復讐譚というフォーマットの上で、節々の台詞やいたたまれない結末を使い家族の脆さや善悪の判断がつかない人間の弱さなどを表現するあたりにはハッとする。その痛みに一切寄り添わない無慈悲さも恐ろしい。 ただ、大元の歩けなくなるそして死ぬという呪術的な設定に仕掛けが全くなかったのが残念だった。そこを裏切るか、設定が破綻するほど物語が進んでいくことで、受け手を混乱させて尚残るのはあまりに美しい画と音楽というランティモス的な世界がもっと堪能したか...

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ドラマ『アンナチュラル』最終回を終えて – 理性や倫理の先にある“思い”が人を動かす –

先日『アンナチュラル』がその短いようで長い旅の終わりを迎えました。 各方面から大きな反響を呼んだ本作ですが、個人的にもテレビドラマ史に残る名作だったと思います。その魅力と新しさについて解説していきます。 本作を語る上で欠かせない要素の一つとして、脚本が挙げられます。 脚本を担当した野木亜紀子は2010年にフジテレビヤングシナリオ大賞を受賞しデビューした、一般的には若手に分類される作家です。脚本家として彼女の名が知れ渡るきっかけとなったのが、2016年の『重版出来!』と『逃げるは恥だが役に立つ』の2作です。『空飛ぶ広報室』や『図書館戦争』など、原作ものの脚本には以前から定評があった野木ですが、『重版…』『逃げ恥』に共通する原作漫画をテレビドラマのフォーマットに落とし込むという手腕で彼女はその人気と実力を決定づけました。 そんな野木が完全オリジナル 作品として挑んだのが本作『アンナチュラル』でした。 脚本に関して初回放送後の反響として大きく上がったのが、「質の高い海外ドラマを見ているよう」という声でした。確かに初回の真実に辿り着くまでに二転三転する先の読めない展開と疾走感はこれまでのテレビ...

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映画『ちはやふる-結び-』を観る。

『ちはやふる-結び-』を観る。 上の句・下の句のポテンシャルから絶対良いと思っていたけど、とてつもなく素晴らしかった! あんなに登場人物が作品を生きてる物語を見たことがない。一人一人の息吹に彩りがある。 無限未来を軸にテーマの描き方も抜群。 無音・スローモーション・アニメーションの使い方も前作同様完璧。 音に関しては、紙が鳴るんだとか細かいところまで注目してしまった。役者人もみんな完璧。清原果耶の前のめりは上の句・下の句の千早をみてるようでここにも継承というテーマがうかがえる。クイーンは相変わらず変人だけど、彼女の強さの源である「どちらが純粋にかるたを愛してるか」という基準はところどころしっかり生きていた。肉まんくんや机くん含めてもっともっとチーム瑞沢を見たかった。 あれ、5億点じゃないかこれ。 ベタなんだけもベタでもいいんですたまには。 勉強と部活、青春だな。青春は僕にもあって良かったなと思う数少ないことのひとつです。みんなのこと、ちょっとだけ分かるから良いんだろうな。...

映画『15時17分、パリ行き』​を観る。

考えれば考えるほど変な映画だ。こんな、テレビの再現ドラマみたいな話がどうしてこんなに面白くて、泣けてしまうか。​ 「実話を基にした映画」というジャンルを揺さぶる仕掛け、最高の一発ネタである。しかし再観賞に耐える。むしろ観る度に感動が強くなる。 「実話を基にした」という謳い文句が好きになれず、この作品もまあ、無差別テロに遭遇した人達をドキュメンタリータッチで描いた作品、とかその類いだろうと思っていた。 あるいは、実話を基にしていようがそれ自体で完結できる強度を持った面白い作品はいくらでもあるけれど、そういう作品でも最後に当時の映像だのモデルになった人物だのが出てきてしまうのが嫌だった。そういうのを見ると本編があくまで現実の再現でしかないような、フィクションとの上下関係を感じてしまう。 しかし、考えてみると『15時17分、パリ行き』はずいぶん実験的なことをやっているのに、それをまるで感じさせないのが凄い。映画ともドキュメンタリーともつかない、現実と呼ぶしかない時間が映りこんでいる。 始まって早々、三人組の一人の語りとともに、映画はいきなり彼らの過去に飛ぶ。軍隊オタな子ども時代、パラレスキュ...

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ドラマ『トドメの接吻』最終回

ドラマ『トドメの接吻』最終回。 最高だった。僕はいずみ吉紘の描く表の世界からこぼれ落ちた人間たちのドラマが大好きで、本作はその作品群のなかでも1.2を争う大傑作だったと思う。オリジナル脚本というところも素晴らしい。 タイムリープの仕組の解明、主人公・旺太郎の目的、実は戻っていた、戻れないなど設定を数多く用意し、しかもそれがあくまでテーマを面白く描くための手段に過ぎないことに一貫する潔さ。 本作のテーマは紛れもなく「愛」 愛する事の無意味さが身に沁みついてしまった旺太郎に愛はみえるのか。 大金を手にするためタイムリープ能力を持つ相手の弱みに付け込みキスの契約を結び都合よくキスをして過去を書き換える。その愛など見向きもしない旺太郎が最後に選んだのは、大金でもキスの能力でもなくキスの相手・宰子の幸せだった。 過去に戻った宰子には旺太郎との記憶がない。その宰子に自分ような人間にはその能力を絶対に利用されるなと忠告しその場を去ってしまう。結果として彼の中に生まれた初めての愛という感情は未達に終わる。彼はその後、かつてと変わらず軽薄に生きていくかのようなシーンで物語は幕を閉じる。 「過去は変えられ...

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映画『リバーズ・エッジ』を観る。

現在から当時を遡行しつつ若者の心理を描いた作品として良かった。 ケータイ(PHS)の普及以前(1995年PHSサービス開始)、インターネットの登場以前(1995年が日本におけるインターネット元年といわれる)、オウム事件以前(日本社会のうわべとその精神病理が暴かれた1995年)の物語。 僕は近年のある種の映像には生々しさが欠けていると感じていたのだが(ここでいう映像はアダルトな意味でのAVも含む)、『リバーズ・エッジ』の映像には生々しさがあった。そこには、デジタルやPhotoshopやフォトジェニック以前の生々しさが描かれていた。生のコミュニケーション。生きてる感じ。 80年代は浮かれた時代だったと言われる。『なんとなく、クリスタル』、ポスト・モダン、MTV。 しかし、90年代、世相は大きく変わる。消費社会の神話と構造、社会システムのマンダラが切り裂かれ、破壊的な人々の生の感情(生と死が隣接したものであるというヒリヒリした感情)が溢れ出た時代だった。 当時は現在よりも清潔でない時代だった。川は臭く、タバコはポイ捨てし、空き缶を川に投げ入れた時代。公害やオゾン層の破壊が問題として語られた時...

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映画『リバーズ・エッジ』を観る。

『リバーズ・エッジ』を見た。 渋谷HUMAXシネマ、恐らく友人が見た前の回だったと思う。 個人的には悪くなかったと思うけど、期待値が高かった分、悩ましい箇所も散見された。 まず、いい意味でも悪い意味でも構成が不親切。冒頭に物語の鍵になるようなシーンがいくつか断片的に映される。そのパッチワーク的な構成が全体の構成にも影響を及ぼしていた。 一見するとストーリーがあるようで実は断片をつぎはぎしたように見えるのは恐らく時代設定と関連している。この物語の設定はかろうじでコミュニケーションの分断化が起こる前の時代で、故に分断化を加速させる携帯電話は登場しない。ただ、それを予感させることを構成でやっていたと思う。 この物語を描く上で最も重要なのは、当時の時代観を再現すること。 70年代から続くオカルトブームや『完全自殺マニュアル』の影響、未知なものが未知として存在する恐怖と焦燥感。川の対岸へ滑るように渡ってしまうことで受ける傷と生の感覚。この時代の感覚の切り取り方はとても良かったと思う。 この物語の登場人物たちと現代の若者たちの違いは身体が伴っているか否かだと思う。今から見れば生身のコミュニケーショ...

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映画『エンドレス・ポエトリー』を観る。

『エンドレス・ポエトリー』とてつもなく変な映画だが、話は至ってシンプルだ。 ホドロフスキーの青年期、サンティアゴに移住してから、友人や恋人を得て、別れも経て、詩人としての自己を確立し独りパリに旅立つまでの「若い芸術家の肖像」を奇想天外な登場人物とシュルレアリスティックな映像で語る。 『エンドレス・ポエトリー』を観て連想したのはラテンアメリカの作家たちの小説だ。 例えばアレナスの『夜明け前のセレスティーノ』やボルヘスの『ボルヘスとわたし』。前者は幻想の入り乱れる少年期の回想、後者は詩人の過去と未来の対話という点で似ているが、それだけではなく、 現実と幻想をシームレスに描く、出来事を主観的に大袈裟に語る、といったこの映画の表現方法は、いわゆる南米マジックリアリズムの特徴として挙げられるものだ。特に近いのは、自伝的な作品を遺し、記憶や詩人としての自己を爆発的な幻想で描いたレイナルド・アレナスではないかと思う。 この映画はずいぶんと奇妙な自伝だ。視覚的イメージや人物が奇抜なだけではない。現在のホドロフスキー本人が登場し、昔の自分に語りかける。父との別れの場面に割り込んで、本当はこうするべきだっ...

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映画『霊的ボリシェヴィキ』を観る。

どことも知れない施設に集められた外見も年齢もばらばらな男女。車座になり、中の一人が語る話に耳を傾けている。語られているのはある囚人の死刑の間際に起きた不気味な出来事だ。語り終わると、参加者のうちの若い男がつまらなそうに「結局、人間が一番怖いとしか思えない」と言う。するとすぐさま、会の中心人物である霊媒師が彼を殴り飛ばす。霊媒師の相方の眼鏡の男が「それは禁句です」と言う。不用意な発言でせっかく集まってきた霊気が散ってしまったのだという。それから、眼鏡の男は参加者たちに向かって「こういう時はボリシェヴィキ党歌を歌いましょう」と呼びかけ、その場の人間は皆立ち上がり、スターリンとレーニンの肖像の前でボリシェヴィキ党歌を合唱し始め、『霊的ボリシェヴィキ』というタイトルが画面に現れる。 正直爆笑した。 なんだこの映画は、と思った。わけがわからない。しかしながらこの映画、とても面白いのだ。 この映画について考えようとした時、まず頭に浮かんだのは「怪を語れば怪に至る」という言葉だ。 この作品は文字通り、「怪を語る」映画である。なんといっても、登場人物がただ座って怪談話を聴かせているだけの場面が大半を占...

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斎藤工・監督の初長編作『blank13』を観る。

斎藤工・監督の初長編作『blank13』を見てきた。良かった。 70分という長編にしては短い尺の中で隅々まで丁寧に作られていたという印象。斎藤工の映画という芸術に対するフェティッシュゆえだろう。冒頭の葬儀の大きさの比較から、回想の差し込み方、タバコや自転車や野球といった道具の使い方、脇を固める名俳優のたちの個性の引き出し方まで、全てにおいて最もベタな選択肢を繰り返し選択し続けているにも関わらず、そのベタさは映画を愛する者ゆえのベタであることがひしひしと伝わってきて、見ていてとても心地よかった。 冒頭とラストで全く同じシーンが出てくるのだが、冒頭では無機的で暗く冷たい印象だったそれが、ラストには暖かみのある画に見えたこと。 この1時間でほんの少し世界が変わったと実感できたので、それが良かったと。 葬式シーンも含めいいシーンたくさんあるんだけど、特に時空を超えた連綿とした流れを感じたのが、 父親に八重樫のオープンスタンスを教えられる場面、それをふと思い出していたんだと気づかせる葬式中の高橋一生の顔アップ、近くの球場と先ほどまで居た母がいないカット。 台詞なし画で繋げただけで、今と昔の状況が...

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NHKプレミアムドラマ『平成細雪』を見る。

昨日・今日とNHK総合で再放送されている『平成細雪』。 プレミアムでやってる時に見れず、先輩に良かったのでと焼いてもらったのを見たけど、とても良かった。特に脚本の蓬莱竜太がものすごく上手い。もともと、演劇畑の人でドラマをあまり書いていないみたいだけれど、この人にもっとドラマを描いて欲しいとおもわず思ってしまった。 タイトルの通り、ベースには谷崎の『細雪』があり、時代設定を平成に置き換えている。 平成4年、4姉妹が生まれた老舗企業の経営破たんの話から物語は始まり一見すると昭和のような世界観で物語は進行するが、バブル崩壊以降の数年間というのは否応なしに昭和の幻想を纏っていたはずで、年号が代わりバブルも崩壊したにも関わらず昭和という時代を捨てきれずにいる斜陽的な世界、そしてそこから平成という悲劇が始まる暗示こそが物語としてのメッセージなのだろう。 「そして1か月後、阪神淡路大震災が関西を襲いました。  長い長い失われた時代の始まりです。」 ドラマのラストがこのようなナレーションで締められていたこともその証しとなる。 柄本佑演じた板倉を始め、各人物の描き方もとても丁寧だった。 4姉妹で言えば中...

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映画『犬猿』を観る。

吉田恵輔監督の映画『犬猿』を見た。 前作『ヒメアノ~ル』は確かに衝撃作だったけれど、個人的にはそこまで傑作だとは思ってはなかった。 だが、今作『犬猿』はまさに見事だった。 家族や親子がテーマの作品はよくあるけれど、「兄弟/姉妹」に絞ってここまでまっすぐに描いた作品は意外と珍しいように思う。 ストーリーとしては、2組の兄弟/姉妹の日常を描いているだけなのだけれど、根底には吉田恵輔にしか出せない心地の悪さが漂い、嫉妬や劣等感が歪に浮かび上がってくる。前作の流れを汲めば、この 緊張感がどこかで爆発し、取り返しのつかないことになるんだけど、本作では何回もそんなことが続く中、結局最後までそうならない。 理由は明白で、それは「兄弟/姉妹」だから。殺すや死ねという言葉の中、裏切りや妬みが引き起こす行動の末に、「兄弟/姉妹」のあるべき姿が描かれてしまう。それは最後の台詞からもうかがえる。「変わらない」良いときも悪いときも「兄弟/姉妹」という関係は当人同士に変わらず課せられている。 それを意識しないことはできない。 常に一番近くで育てられた人間同士には、歪み反発しあうエネルギーと同じだけの尊びあえる力が...

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『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』を観る。

去年見れなかった『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』を見た。 僕が言うのもおこがましいが、紛れもなく映画史に残る稀代の名作。 まず驚いたのは撮影技法。登場人物の特徴の描き方や町の撮り方など1カット1カットが計算し尽されており、4時間で物語の世界のことは全て知った気になれる。 徹底的に計算したカットを重ねることで、必然的に物語の強度も増す。 この映画のテーマは冒頭のナレーションにもあるとおりに、50年代末から60年代にかけての台湾の情勢に巻き込まれていく大人とそれを見ている子供の葛藤というところだろう。 それが同時代での日本の学生運動の中心だった大学生ではなく、中学生が主人公であるというところに衝撃があり、さらに具体的な目的も見出せずただ漠然とした不安と希望の中で結果として起こってしまった悲惨な事件というストーリーのやり場のなさが際立つ。 僕は主人公の小四に大いに感情移入をすることができた。 もちろん彼の起こした事件の背景と当時の台湾の情勢は切り離せないが、途中からは彼のことしか目に入らなくなり、彼にとっての穏やかな日常を心から願っていた。それゆえに彼の未熟さをとても痛いものに感じた。...

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木曜ドラマ『BG~身辺警護人~』初回/第2話を観る。

『BG~身辺警護人~』初回。 「アイムホーム」以降、主人公感のない主人公を演じるようになったキムタクだが、本作もキムタクが演じる主人公としてはかなり地味。 共演者との兼ね合いやプロットの精緻さでキムタクのアクを抑えようとする手法には、もはや新しさはない。 ただ、翻ってここがテレ朝の狙いでもある。 今のテレ朝ドラマは数字だけをみると、視聴者を取り込むこと最も成功している。それは、ドラマ自体が目新しさや複雑さを捨て、いかに安定した高いクオリティを維持するかのみを目指している結果だろう。本作もその大きな潮流の一つとして見て取れる。 井上由美子の脚本に破綻は考えにくく、このまま抜群の安定感で最後まで続くことが予想できる。民間警備というテーマはNHKの「四号警備」で業務内容等描かれていたので特に触れる箇所はなく、あと物語の見どころとして触れるなら、「踊る…」の柳葉-織田を彷彿とさせる江口-木村の立場関係。 まさかこの年齢でキムタクが所轄の刑事ばりにエリートに意見しながら仲を深めていくというありふれた展開にと思わなくもないが、恐らく視聴者はそこを求めている。それにやさしく答えて数字を稼ぐのがテレ朝...

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金曜ドラマ『アンナチュラル』第2話/第3話を観る。

金曜ドラマ『アンナチュラル』第2話 今回は初回以上に石原さとみ演じる主人公・三澄ミコトの過去や現状に踏み込んだ内容だった。この回を見てこのドラマは石原さとみのためのものだと思った。 近年の石原さとみといえば、映画「進撃の巨人」「シン・ゴジラ」ドラマ「校閲ガール」など、リアルの解像度を故意に下げる事で漫画の主人公を地で演じる(3→2.5次元)という過剰にデフォルメされた演技が目立っていた。 人間の内にある数百という複雑な感情を敢えて10個ほどに限定してスイッチ一つでその場に最も適した形で分かりやすく提供するという彼女の驚くべき技法は様々な所で話題になったが、今回はそれとは全く逆の複雑な主人公を演じてみせている。それを引き出す一つの要素が過去のトラウマだろう。 一家四人の練炭自殺で唯一生き残った幼少期の記憶というのは今回含めて今後も事あるごとに触れられる要素となる。その度に彼女は今も十字架を背負っていますという姿を見せる。さらに彼女の今の哀しみ・強さ・明るさなどは周囲の人間と接する姿や表情から浮かび上がってくる。 絶対絶命の状況で窪田正孝演じる後輩に語った死の恐怖や生への執着の姿勢、助かっ...

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TVドラマ評 2018年1月クール作品の紹介

インフルが直撃した影響で1月ドラマの初回時期にぼーっとしたまま過ごしてしまった。 今期はテーマが比較的多岐にわたっており、ドラマごとの特徴が良く出ている。ただ、どこかで見たテーマや内容が多いのも事実。 丁寧につくるか見たことないものをつくることに注力できるかだと思う。 今のところ「anone」「アンナチュラル」「MASKMEN」「電影少女」「隣の家族は青く見える」が良い。 anone 「anone」の先が読めない(つまりストーリーがある)感じは最近の坂元作品では異例。このままぐだぐだになっていくことも充分あり得るが、要所のメッセージを逃したくないという楽しみ方ができる。 アンナチュラル 「アンナチュラル」は質の高い海外ドラマを目標にという記事を目にしたが、設定や構造は従来の日本の連ドラの域を出ているとは言えない。ただ初回に関して言えば、話を二転三転させ真実に辿り着くまでの息もつかせぬ展開は良かった。野木亜紀子の1話完結の謎解きが価値を持ったということなのだろう。 勿論、死因を解明するだけが主題ではなくそこに至るまでの死者の個性や社会的状況から社会派というポイントを加算するのだろうが、そ...

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2017年 小説・映画・TVドラマ ベスト10

2017年 小説(国内)ベスト10 1.『最愛の子ども』松浦理英子 2.『星の子』今村夏子 3.『劇場』又吉直樹 4.『岩場の上から』黒川創 5.『日曜日の人々』高橋弘希 6.『ホサナ』町田康 7.『未熟な同感者』乗代雄介 8.『光点』山岡ミヤ 9.『その八重垣を』三輪太郎 10.『茄子の輝き』滝口悠生 2017年 映画ベスト10 1.『20センチュリー・ウーマン』 2.『バンコクナイツ』 3.『パターソン』 4.『午後8時の訪問者』 5.『彼らが本気で編むときは、』 6.『お嬢さん』 7.『ノクターナル・アニマルズ』 8.『マンチェスター・バイ・ザ・シー』 9.『夜空はいつでも最高密度の青色だ』 10.『ギフテッド』 2017年 TVドラマベスト10 1.『カルテット』 2.『人は見た目が100パーセント』 3.『この声をきみに』 4.『十九歳』 5.『先に生まれただけの僕』 6.『コードブルー3rd』 7.『嘘なんてひとつもないの』 8.『ぼくは麻里のなか』 9.『伊藤くんAtoE』 10.『感情8号線』 (WOWOW SVOD作品を除く)...

現代中国を描く大河ドラマ 小説『兄弟』/映画『山河ノスタルジア』

2017年も残りわずか数時間となった。 今年は近年稀に見る激動の年であった。 アメリカではポピュリズム的な現象を背景にトランプ政権が発足、フランスではマクロンに敗れたがマリーヌ・ル・ペン率いる国民戦線が躍進。 ヨーロッパでは、イギリスのメイ首相がEUに離脱を通知、スペインのカタルーニャ地区は独立を宣言した。 中東ではイスラム国は事実上の崩壊。 しかし、アメリカのトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことから多数の抗議活動が起きている。 アジアでは、フィリピンのドゥテルテ大統領が麻薬撲滅キャンペーンを実施し超法規的殺人が行使され、マレーシア・クアラルンプール空港では北朝鮮の金正日総書記の長男である金正男が暗殺され、ミャンマーはかつての民主化運動の旗手アウンサンスーチーによる新政権のもとロヒンギャは混乱に陥っている。 そして、日本では飛翔体が定期的に飛び越えている。 他方、経済面は数値の上ではバブルとも思える好調であった。 世界的に各国の経済は軒並み好調、日経平均もかつて1992年のバブル崩壊前の水準に上昇。 また、仮想通貨の価格は10倍にも100倍にも高騰した。 そのよう...

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映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』 を観る。

物語を語ることの意味を真摯に語り切った物語に、日本文化の死生観と情緒を再発見させる映像の美しさに、音楽に、何度も泣かされてしまった。 こんなにも夢中になれる映画に出会えるとは。 主人公のクボは、三味線を鳴らして折り紙を操ることのできる不思議な力を持った隻眼の少年だ。 彼は三味線の演奏と動く折り紙の人形で「月の帝に立ち向かったサムライの物語」を語って村の人々の人気を博していた。 しかしクボはいつも結末まで語らずに物語を中断して帰ってしまう。 実は、クボ自身もその物語の結末を知らないのだ。 それは、彼と二人暮らしの母親からいつも聴かされていた、彼の一族にまつわる物語だった。 月の帝はクボの祖父でその娘であるクボの母親とクボを守るために戦ったサムライがクボの父親だった。 クボの片目がないのは生まれてすぐに祖父に奪われてしまったからだという。 クボは母親から物語を聴かされるのが大好きだったが、母親は夫を失ったショックからかその結末が記憶から失われていて最後まで語ることができなかった。 クボの物語が大きく動き出すのは村の祭りの晩、日が沈んでから外に出てはいけないという母親との約束を破ってしまった...

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映画『ローガン・ラッキー』を観る。

このお話は欠けたところから始まっている。 主人公のローガン兄弟の兄ジミー(チャニング・テイタム)は工事現場で働いていたが、膝のケガを理由に解雇されてしまう。 一人娘も別れた妻の新しい家族と暮らしている。 彼の弟クライド(アダム・ドライバー)戦地で片腕を失い、今はバーテンダーをやっている。 ローガン一家は不運の家系だというのがクライドの口癖になっている。 仕事をクビになり、娘のコンテストの日にちも間違えてしまう、悪いこと続きのジミー。 弟の店で飲んでいるといけ好かない経営者と喧嘩になる。 騒ぎの中、彼は弟に「カリフラワー」と告げる。これは強盗計画決行の合言葉だった。 ジミーの家には彼が考えた強盗計画10か条が貼ってある。 弟は言う、もうこんなことからは足を洗いたい、でも兄が苦手な知恵を絞ってこの計画を立てたのはわかるし、朝食を作ってくれた、自分好みの焼き加減にしてくれた、だから話は聞くよ、と。ここの場面が好きだ(そしてジミーの焼いたベーコンが美味しそうだ)。優しくて、なんというか「キュート」な、この映画の性格が現れているようだ。 ここから、今は服役中の爆破のプロであるジョー(ダニエル・ク...

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映画『GODZILLA 怪獣惑星』を観る。

映画『GODZILLA 怪獣惑星』を観る。 「人間ドラマ」偏重の作劇も、ハルオのキャラクターも、アニメ特有の演技も、予想していたほど気にはならなかった。 登場人物のバックボーンを省略する語り口は『シン・ゴジラ』以降の物語だと感じる。 とはいえ、地球に降り立つまで数十分は、狭い場所で動きも少なく、間延びした印象は否めない。 3部作の1作目というよりは、2時間映画の冒頭を89分に引き伸ばした感じだ。 「怪獣」が登場するのは後半、ゴジラに至っては終盤も終盤でようやく姿を見られる。 だが、どういうわけか、待ちに待ったという気がしない。 気が付いたらそこにいた、という感じで、背景の中の異物になっていない。 これがアニメでゴジラをやるということなのかなと思う。 現代SFアニメのフォーマットに、ゴジラという記号(巨大で、熱線を放つ人類の敵)を乗っけた物語を語りたいのであって、特撮を再現することは考慮に入っていないのか。 じゃあ特撮っぽいとはどういうことなのかと考えた時にまず思いついたのは、現実にあるわけがない(≒作り物)という異物感と、同時にそれが本物に見えてしまう現実感を行ったり来たりする、虚実の...

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映画『全員死刑』を観る。

すっげえの観た。『全員死刑』ここまで面白いとは。『悪魔のいけにえ』を思い出させる禍々しさと笑い。どう考えても笑う場面じゃないところで恐ろしくくだらないギャグをかます。凶悪なまでにシームレスで未知の感情が喚起される。センスの塊だよ。 なんていうか戸梶圭太の小説の「激安」って概念を思い出すな。人命も思考も行動も、人生として想像できる範囲にあるもの何もかもが安い。 被害者宅の庭の手入れされてない感じとかモーターボートとかリアル過ぎるんだよなあ…。皆だいたいワゴン車だしコンビニはヤマザキショップだし。地元で撮ったのかと思うくらい。 「洗練されてない」ってことをセンス良く撮るのがヤバい。そもそも題材が題材だし。ひたすら安くて愚かで酷いのに、しかしこれは純然たるエンタテインメントなのだ。それもコメディである。 ハイローファン的には一ノ瀬ワタルが「鬼邪高の関ちゃん」としか形容できない役で出演しているのもポイント高い。「良くない就職先」潰せなかったんだね…。...

映画『予兆 散歩する侵略者 劇場版』を観る。

映画『予兆』を観てきた。 『散歩する侵略者』の裏面であり、侵略の物語は当然こういう顔も持っているということを思い出させられた。 前作のオフビートな愉快さは鳴りを潜め、人間の弱さと、得体が知れないことを画面に映し出す表現に比重が置かれている。 体温を奪われる、あの世が侵入してきたような映像に目が離せない。 終末の、光りも熱も遮る曇り空を見て、やはり黒沢清の怪獣映画を観たいと思う。 それはそうと宇宙人は天野くん達のチームだけじゃなかったんだな。当たり前か。 歩くだけで人がバタバタ倒れていくのが東出真大のオーラに圧倒されているみたいで面白かった(『散歩する侵略者』の怪しすぎる神父とは全く関係なかった)前作の「概念を奪う」行為は、加瀬真治という人間の人格や鳴海との関係の再構築をもたらすものとして、ある意味肯定的にも描かれていた。 今作でのそれは、奪うことの恐ろしさと、どうしようもなく弱い人間の悲しさを浮き上がらせるものになっていた。 「愛の概念」は今作でも重要な存在だが、こちらも人間の弱さと残酷さの源、という性格も帯びている。 概念の扱いには必ずしも納得のいくものばかりではないのだけれど、「死...

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ドラマ『この声をきみに』最終回

ドラマ『この声をきみに』最終回 地震・衆院選・SP番組で計3回も飛ぶという不運に見舞われながらも最後まで丁寧に作られていた秀作。 大森美香の脚本が決定的な仕事をしていたと思う。 大森さんはNHKで書くようになってから全くというほど外さない。今回もNHKでないと描けないような繊細な話。 内容を要約すると、自らの主義に固執するあまり家族から見捨てられた数学者が職場で行けと言われた自己啓発セミナーの先生と出会い人生を見つめ直す話しで、凝り性の人間が綺麗なセミナーの先生に弱った心を癒やされ丸くなっていく話だったらヤバいなと思っていたのだが、勿論そんな浅い話ではなく。 麻生久美子演じる自己啓発セミナーの先生は朗読教室の先生もやっていて、ここから朗読というコアなテーマが導かれる。 主人公の数学者は言葉や声を媒介にゆっくりとつながりを模索していく一方、実は先生の側がそれ以上の問題を抱えていることが発覚する。 シンプルだけどこの逆転が効いている。 人に何かを教える側の人間がその事に確信が持てなくなる苦しさ。 特に今回は“朗読”を着想に、目に見えない言葉や声で人と人を繋いでいくという話だったので、余計に...

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『恋妻家宮本』を観る。

『恋妻家宮本』を観る。 ずっと映画を撮りたいと公言していた遊川さんの作品だったから期待していたんだけど映画館には観に行けなかったのでDVDで鑑賞。 良かった。てっきりオリジナル脚本だと思っていたら原作は重松清の「ファミレス」という作品で、ただ調べてみると原作と設定が変わっている部分もある。 遊川さんの映画に対する真摯さが伝わってくる王道の展開や場面が満載で、そのオーソドックスなつくりの中で、脚本家としての人間を描く力が存分に発揮されていた。 プロットよりも台詞に重きを置いた本作はとてもテレビドラマ的なんだけど、それが映画に置き換えられると証明した遊川映画の誕生だと思う 遊川さんといったらバックグラウンドありきのキャラ設定と建前抜きの鋭い本音がひとつの特徴のだけど、本作は子の手が離れ再び二人での生活がスタートしたありきたりなアラフィフ夫婦の話。 夫婦関係の再確認を起点に、周囲の人々の問題を絡めつつ最後には冒頭と同じファミレスのシーンに戻っていく。 たった2時間のこの一周で27年間の夫婦生活の意味やパートナーの存在意義を過不足なく物語として成立させちゃうんだからすごい。 ひとつ具体的な内容...

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