映画『沈黙 サイレンス』(2015年製作の映画)

17世紀、江戸時代初期におけるイエズス会宣教師と隠れキリシタンの信仰と迫害、転向の物語。 それ以前、16世紀のヨーロッパでは、マルティン・ルターやカルヴァンによる宗教改革により新教徒であるプロテスタントが台頭していた。 そのため、ローマ・カトリックは、その存在意義を問われ、真の信仰を示すために新天地での布教が求められた。そのためのカトリックの精鋭部隊がフランシスコ・ザビエルやイグナチオ・デ・ロヨラにより創設されたイエズス会だった。 彼らは神の意思と社会正義を背負い、その言葉を世界に伝える強い信仰を抱いていた。 しかし、この映画の主人公であるセバスチャン・ロドリゴ神父(アンドリュー・ガーフィールド)がイエズス会の宣教師として日本を訪れた時、それはまさにキリスト教徒が国により迫害されていた時代だった。 映画の中で描かれる拷問はきわめて残酷なものであり、共感しやすい人間であれば胸が苦しくなるものだ。キリシタンは取り締まりを恐れ、その不条理につねに怯えて過ごさねばならない。そして、その苦しみの中で、小松菜奈が演じる農民の少女は口にする。「死ぬのは怖くない。だって、死ねばパライソに行けるのでしょ...

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「テレビドラマはヒロインを殺したか?——–2016年の連ドラをめぐって」

遅くなりましたが2016年のテレビドラマベスト10を発表します。 1位 「早子先生、結婚するって本当ですか?」 2位 「ふれなばおちん」 3位 「ゆとりですがなにか」 4位 「逃げるは恥だが役に立つ」 5位 「ちかえもん」 6位 「徳山大五郎を誰が殺したか?」 7位 「プリンセスメゾン」 8位 「フラジャイル」 9位 「奇跡の人」 10位 「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」 ※大河・朝ドラ・WOWOW・ネット系有料ドラマを除く 全体の印象としては、大作ぞろいの邦画の陰で盛り上がりに欠ける作品が多かったように感じます。それでも「逃げ恥」や「真田丸」などの話題になった作品もあり、実験段階ではありますが視聴率にも録画予約の数字が組み込まれたりと、現代のライフスタイルに合わせた評価のされ方も徐々に浸透しているのかなと実感しました。 個々の作品にざっと触れた後、総評をします。 「早子先生、結婚するって本当ですか?」 昨今乱立している大文字の「婚活ドラマ」とは一線を画し、今までに見たことのない斬新なアプローチから婚活を描いたのが印象的でした。この手のドラマにおいて焦点となる周囲からの目線や主人...

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2016 映画トップ10

去年は50本程映画館で映画を観ました。 週一で観たと考えれば上出来だと思います。 1位 ロブスター 2位 リップヴァンウィンクルの花嫁 3位 ちはやふる(上下) 4位 SHARING 5位 サウルの息子 6位 溺れるナイフ 7位 イレブンミニッツ 8位 キャロル 9位 淵に立つ 10位 灼熱 「シン・ゴジラ」「君の名は。」「この世界の片隅に」 この三本は去年という枠に収まらないのではという自分でもよく分からない理由から外しました。 邦画の出来が目立った一年でした。 どれも傑作です、ディスク化されているものもあるので三連休暇な方は参考にしてください。 1位 ロブスター 2位 リップヴァンウィンクルの花嫁 3位 ちはやふる -上の句・下の句- 4位 SHARING 5位 サウルの息子 6位 溺れるナイフ 7位 イレブンミニッツ 8位 キャロル 9位 淵に立つ 10位 灼熱...

紅白実況マラソン2016

今年も紅白実況マラソン完走しました。 これやると毎年どっと疲れて年を越すはめになるんだけど、やっぱ一年の最後に一年を総括する優良なコンテンツがあるからと信じて。 たのですが、今年は例年にも増して「復興」と「オリンピック」のごり押しで「頑張ろう日本」「まだやれる日本」というメッセージに辟易。エンタメ系の演出も(ゴジラやPPAP)も総じて質が低く見ていていたたまれなかった。 それでも一応パフォーマンスベスト3 3位 セカイノオワリ 前半のジャニーズや若手のよく知らない曲が続く中で、ポンと出て来て短い尺ながらも自分たちの世界観を展開できるパフォーマンスに安心した。 2位 宇多田ヒカル 圧倒的な存在感。期待を一身に背負わされ、それに事務的に奉仕する姿には何年か前同じ紅白の舞台の中森明菜を連想させた。 この世と隔絶された僕らの知らない世界から歌っているような姿だった。 欲を言えば来年のデビュー20周年で同じく98年デビューの浜崎あゆみ・aiko・椎名林檎と共に見たかった。 1位 欅坂46 贔屓です。好きだらか、最高でした。 最後にちょっとした気づき。 若手の歌にほど強い政治的なメッセージが込めら...

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感想 『逃げるは恥だが役に立つ』 「夫婦を超えてゆけ!― 大ヒットと影響の先を考えて ― 」

メリークリスマス。 これから「のん」の映画一人で観に行ってくるけど、これってクリぼっち的なやつなのか。 逃げ恥の感想です。 「夫婦を超えてゆけ!― 大ヒットと影響の先を考えて ― 」 今年、国民の注目を最も集めた民放ドラマといっても過言ではない。 多くの方が話題を共有し、期待を最後まで裏切らず視聴者を楽しませてくれたのにはいくつかの優れた点があったからだと思う。 1、それぞれの楽しみ方・盛り上がり方 このドラマのメッセージは基本的に女性へと向けられていた。そしてその年齢層がドラマが進むにつれて大きな広がりをみせていったように思う。 これは、物語の後半から星野源演じる平匡(36)と新垣結衣演じるみくり(26)のパートに加え、仕事一筋で恋愛に縁がなかったみくりの伯母で石田ゆり子演じる百合(49)のパートを並行して描いたことが大きい。 (※年齢はドラマの設定に基づいている) それにより仕事や恋に新しい価値観を持つ20代30代のみならず、それより上の世代の女性からの共感を得ることに成功した。 さらに良かった点として、ドラマにメッセージや社会性などを期待していない視聴者にも楽しめる要素が多くあっ...

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映画『ニーナ・シモン 魂の歌』(2015年製作の映画)(原題:What Happened Miss Simone)

ビフォアサンセットのラストでジュリーデルピーがニーナシモンのモノマネをし、レコードに針を落としエンドロールを迎える。 クールな幕引きトップテン執筆の依頼を受ければ、ランクイン間違いなしのお気に入りのシーンだ。 そのニーナシモンのドキュメント。 ミュージシャンとしての、ではなく黒人として、母としての側面を多く見せた構成。 リベリア移住から晩年のヨーロッパまでは知らない部分が多かった。 ”彼女のアジテートするような歌詞には他のミュージシャンにありがちな胡散臭さが全く無い” といったようなセリフがあったが、それは彼女の絶対的な音楽強度に裏付けされているもので当たり前の話だろう。 Netflixに感謝。...

SMAP解散に思いを馳せるということ

ここに書く事が欅坂さんのことばっかりになってるんだけど大丈夫。12月になりました。今年も恒例の2016ランキングやります。 「映画編」「ドラマ編」「小説編」 今年は邦画が大作揃いでしたね。 と、今年を振り返るのに忙しい12月ですが、 今日あーこれは毎年恒例だからとかではなく、今年の12月に絶対にしなければいけないということがあったと自覚した訳です。 ずばり、SMAP解散に思いを馳せるということ。 まだ実感が全く湧かないんだけど、年末に近づくに連れ焦燥感にも似た浮足立った感覚が襲って来てそれが大きな哀しみとして自分を飲み込んでしまいそうで。 解散に合わせて異例のSMAP関連新書ラッシュ。 全て12月刊だそうです。(ソースはTwitterですが…) 朝日新書・中川右介『SMAPと平成』 講談社現代新書・矢野利裕『ジャニーズと日本』 光文社新書・太田省一『SMAPと平成ニッポン』 宝島社新書・速水健朗『大人のSMAP論』 SB新書・松谷創一郎『SMAPはなぜ解散したのか』 親書でタイトルのインパクトが重視されるのは自明のことですが、 僕はこのタイトルにあるように「SMAP」が「平成」や「日本...

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映画『ブルーに生まれついて』(2015年製作の映画)

コルトレーンの”A Love Supreme”、Bill Evans&Jim Hallの”Undercurrent”、浅川マキの”裏窓”、New Orderの”権力の美学”と並んで、”Sings”はいつも部屋の壁に立てかけてある愛聴盤の一つだ。 これまでChet Bakerを聴く時は50年代の作品が多く、後期のモノはどこか敬遠していたように思う。 今回の映画は後期に向かっていくストーリー。 イーサン・ホークはよく演ったと思うが、上手いとか努力とかいったことでは音楽的な強度は出せない。 そこを除けばバードランドで演奏する意味だとか、マイルスのカリスマ性なんかが垣間見得てとても楽しく観られた。 エンドロールに向かうまでのシーンがクール。 ここでいうBlueの、灰みがかったようなニュアンスが上手く映像で体験できたような気がする。...

映画『こわれゆく女』(1974年製作の映画)

先日アナログTVが遂に壊れ、シャープの薄型TVに切り替えた。 鑑賞後、役者が話し始めるが、所々しか字幕が出ない。 なるほどジョンカサヴェテスともなると字幕の付け方にもこだわり、言葉よりも感覚的に訴えるように作っているのか、と思いながらも眉間にシワを寄せながら耳に全神経を集中し、半分ほどまで観た。 集中の甲斐あってか、かなり前のめりに映画に入り込むことに成功した。 しかしわからない。言葉の3割程がどうしても聴き取れない。 今まで前衛的な映画もいくつか観てきたが、この字幕の付け方は鑑賞者にとってあまりにも不誠実だ。 恐る恐る、私はリモコンの画面サイズのボタンを押してみた。 するとどうだろう。流れるような字幕。たちまち饒舌になる役者達。 やれやれだ。 そんなパーソナルアフェアはさておき、紛れもない名作だった。 難しいことは言えないが、愛を描くことに成功している数少ない作品。...

映画『ショート・カッツ』(1993年製作の映画)

これが人生である。これが現実である。と言ってしまうのは、確かにそうではあるがどこか思考を放棄した感が残る。 小津は家族という括りで、誰もが当たり前と思い込んでしまっていること、あるいは当たり前と思わなければいられないようなことに疑問をぶつけたが、アルトマンもケースは違えど同じ事をこの映画で表現していたと思う。 隣人の死に痛みを感じるか? 大地震の死者が1名で安堵するか? 好きな主題だ。...

映画『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』(2014年製作の映画)

ベルセバが作った映画、と想像して期待を超えも外れもしない作品だった。 音とスチュアートの趣向を映像化したらこうなるだろうな、といった2時間弱。 本人に聞いてみたいのは、あなたはまだ自分で歌いたいですか?ということ。 自分のバンドから離れて、他人に演奏させる、演じさせるというのはどんな思いがしたのかな。...

映画『ティモシー・リアリー』(1996年製作の映画)

“野望は世界の人々の意識を開放すること 実現する可能性は低いけど 人生短いんだし地球をより良い場所にしたいだけさ” Turn On, Tune In, Drop Out. 徹底的な唯物論と夢想による意識の探求、そして狂気じみた社会システム批判。 ヒッピーもロックも革命も、すべて20世紀の歴史の中の遺物になってしまった。 信じられるかい?音楽やドラッグで世界が変わると信じてたんだぜ。 意識による革命を、いまだに夢見ている人に、ぜひ見てもらいたいドキュメンタリー。 “Timothy Leary” (movie of the 1996 production) “Ambition is that to open the consciousness of the world’s people but unlikely to realize just want to’m short life and a better place of the earth” Turn On, Tune In, Drop ...

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映画『東京流れ者』(1966年製作の映画)

鈴木清順を初めて観た。 色と構図に驚いて、時計仕掛けのオレンジと製作年を比べてしまった。 粗さとスタイリッシュさのミスマッチで力み無く鑑賞できた。 キルビルのオールブルーバックのチャンバラシーンなんかも、もしかしたら影響下にあるのかも。 東京流れ者の7インチは今後掘り出したい一枚。...

映画『恋人たち』(2015年製作の映画)

希望の話。 映画の登場人物達とまではいかなくても、現代の多数の人々の暮らしや心情をリアルに映していたように感じた。 日本は自殺者が多い、と数字上で語られることが多いと思うがそもそも人間は”生きる”ということが遺伝子的に組み込まれているのだと改めて思った。 殺せない、死ねない。 それならばとにかく生きるしかないのだと思う。 たとえ1ミリの希望でも、前を向くには、天を仰ぐには、充分過ぎる理由になるのかもしれない。...

映画『海街diary』(2015年製作の映画)

悪くない。 鎌倉といえば嫌が応にも小津作品と比べてしまう。 綾瀬はるかに原節子を重ねて鑑賞。 原節子は家を出るが、綾瀬はるかは家に留まる。 結婚、女性の自立といった時代背景の違いはもちろんあるけども。 歩いても歩いても、に続く是枝監督の佳作だと思う。...

映画『わたしはロランス』(2012年製作の映画)

話題のグザヴィエ・ドラン初鑑賞。 トランスジェンダーを扱ったものに好きな作品が無かったが、これはちょっと別かもしれない。 映像センス、ストーリー、自分より下の年齢の監督がどういう育ち方をしたのか気になった。 オープニングで馴染みある曲が使われていて、ナイフの片割れの… あ、Fever Rayか。と思い出すまでに時間がかかり、自分と音楽との距離を感じた。...

映画『インヒアレント・ヴァイス』(2014年製作の映画)

劇場で見逃したので、レンタル。 トマスピンチョンのことはよく知らない。何年か前にフジロックに行った時、友人がピンチョンの本を持参しており、(野外ロックフェスに本!) テントの雨漏りでピンチョンが本として機能しなくなったのを覚えている。 まさにインヒアレント・ヴァイス。(潜在的な欠陥) 映画について、結局内容はよく分からない。 恐らくもう一度見ても、人物関係が少し整理されるくらいで理解度は変わらないだろう。 インヒアレント・ヴァイスの意味を何処に見出すか。 アメリカという国か、この映画自体か、それとも観ているこちら側か。 複雑で難解な映画では無い。 ポール・トーマス・アンダーソンは分からないことが良く分かっている。 映像の質感、リズム、センスとナンセンス、70年代の音楽、まさかのジョアンナ・ニューサムまで楽しめた。...

映画『セッション』(2014年製作の映画)

音楽を扱った映画にも関わらず、音楽の美しさがあまり伝わってこない。 鬼教官vs生徒の図式でイライラしたりスッキリしたり、という見せ方にしようとしているのはわかるがイマイチ足りない。 映画のスピード感で、ある程度見られる出来にはなっていた。 ただ、最後のシーンが圧巻、と広告にあったがこれが良くない。 演奏の裏に見えるものが薄く、体育会的なドラムを叩いているだけ。 比べるのはどうかと思うが、この映画のラストシーンに無いものがフラガールのラストシーンにはある。...

『ロング・グッドバイ』(1973年製作の映画)

原作は読んだことが無い。 ただ、ここからあらゆるものが影響を受けたんだろうなというシーンばかり。 こないだ買ったスタジオボイスのテーマが“クールの定義”だったのだけど、クールの条件がとてもバランス良く揃っていたように感じた。 クールとは?と若者に問われたら勧めたい一本。 何とも言えない画面のザラつきが素晴らしい70’s映画。...

映画『仁義なき戦い 広島死闘篇』(1973年製作の映画)

台詞は広島弁がキツく、何を言ってるのかわからない箇所が多々。ストーリーについても全てを理解するのにはある程度の背景知識が必要。 けれどもそれが映画の質を落としているか? それがどうしたと言わんばかりの100分間。 ゴキブリのような肌で暴れる千葉真一、常に渇きを持った北大路欣也の眼。 生き生きと、という表現では足りない、何か時代性と若さが混ざり合った熱い塊をぶつけられているような感覚が続く。最高だろ。...

市川崑『股旅』 時代劇のロードムービー

今日は、台風一過でしたね。外は夏を感じさせる陽気で、オフィスはとても寒かった。クーラー24度に設定するの、やめてほしいなあ。 ところで、昨日は せっかくの台風だから相米慎二の『台風クラブ』を見ようと思ったのだけど、気づけば市川崑の『股旅』という映画を見ていました。 おそらく先日『傷だらけの天使』の代々木会館を見に行った影響だと思います。 『股旅』は1973年の市川崑 監督作品で、日本アート・シアター・ギルドの作品です。 脚本は谷川俊太郎、主演は萩原健一・小倉一郎・尾藤イサオです。 ジャンルというか、どんな映画化というと、簡単にいえば「時代劇設定のロードムービー」です。 クールな映画です。 時代劇なのだけれど、時代劇特有の湿っぽさみたいなものはまったくなく、シニカルで無味乾燥、そしてヒリヒリした空気感のある映画です。 方向性としては、『俺達に明日はない』とか『イージーライダー』に似た雰囲気で、あるいは、無軌道に生きる若者映画としては『トレインスポッティング』なんかに近い気もします。 上に、『傷だらけの天使』の影響と書きましたが、 この映画の前年の1972年に市川崑がテレビドラマで監督をし...

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映画『her/世界でひとつの彼女』 – 映画の中に自分を見る ~ 感情移入の瞬間の錯乱について –

観た映画の感想です。 『her/世界でひとつの彼女』スパイク・ジョーンズ監督。 去年映画館に観に行った映画の中で、最も感情を揺さぶられました。 理由は簡単で、映画の主人公・セオドアにびっくりするほど感情移入してしまったからです。 ストーリーを簡単に説明すると、離婚調停中の主人公ホアキン・フェニックス演じるセオドアはルーニー・マーラ演じる別居中の妻キャサリンの事を忘れられず、淋しさを紛らわすため最新の人工知能OSを購入しそれ(彼女)に恋をするという話です。 ざっくりとした物語構成ですが、前半部分で人間(男性)の持てる言い訳の全てに寄り添う事が可能な対象はもはや人間(女性)ではないという仮説が示され、しかしラストでは友人と励まし合いなが前へ進もうという主人公の心境の変化が描かれます。 つまり、人いうもの限界(欠損部分や至らない点)を無残なまでに露わに示しながらも、それでも人を救済しうるのは他でもない人であるという、ある種辛辣で逃げ場のない現実的なメッセージを打ち出した映画だと言えます。 特に最後の点において、個人的には閉塞的な感覚を抱きながら結局どれだけテクノロジーが進化しても人の淋しさと...

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【2014年】テレビドラマの総括

こんばんは。気づけば、2014年もあと僅か。 年末になるとテレビやネットでは「今年を振り返ろう」みたいなものをよく見かけます。5年ぐらい前はこんな煽り文句みたいなのが世の中に氾濫していることもなかったなと思うのですが、なんと言っても今や一億総表現者ですからね。時代です。 「今年なにやってたかといえば、友だちとやたら人狼してた。楽しかったなー(古市憲寿)」みたいに今年の総括を1行ぐらいでスマートにまとまれれば一番いいのですが、かくいう僕もここ数年は1年を総括する意味で主に「フィクション」において個人的なベストコンテンツを文章にしておくというやっかいな習慣がありまして、せっかくなので今年もそんなこと書きながら2014年の皆さまとお別れしたいと思います。お世話になりました。 今年は本当に話題に事欠かない年だったと思います。 ざっと振り返っても、 ・オリンピック ・ワールドカップ ・集団的自衛権限定容認 ・消費増税 ・解散総選挙 などといったスポーツ・政治の分野から、 ワイドショーを連日賑わせた会見ラッシュ、 個人的には一番大きいと思う「いいとも」と90年代以降のテレビというコンテンツの終焉、...

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【2014年】7月期 テレビドラマの総括

お久しぶりです。秋の夜長いかがお過ごしでしょうか。 お馴染み定期ポストとなっているテレビドラマについて。 4月期に出来の良い作品が多くたくさん書いた覚えがありますが、1位をつけた「続・最後から二番目の恋」に触れる前にPCのデータが飛び、結果中途半端に終わってしまいました。 なので今回は要点を整理しながら極力短めに一気に書きました。 内容としては、前回クールのドラマの中から面白かったものや話題になったものに触れ、最後に今始まりつつある10月期のドラマをちょこっと紹介できればと思います。今回クールのドラマは見ごたえのある作品が多い気がします。今からでも間に合うと思うので、これ読んで一つでも面白いドラマを見つけてくれればと思います。 では7月期のドラマの総括いきます。 7月期は巧妙に隠されたハズレドラマが多かったです。 正直面白かったのは3つあるかないかというところです。 まぁこれくらいが1クールのデフォルトなんですね。 触れるドラマ列挙しときます。 ・HERO ・若者たち2014 ・昼顔 ・聖女 ・家族狩り ・おやじの背中 ・アオイホノオ (ベストはペテロの葬列なんだけど、ここでは触れませ...

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【2014年】4月期 ドラマ時評 各論②

4月クール連ドラ、その3『セーラーゾンビ』についてです。 相当長くなってます。 ゾンビと天使の強烈な二項対立が示すものは! 数多の佳作を抑えてなぜこの作品良かったかというと、きちんと現代社会の問題を捉えていたからです。端的に言えばアイドルと現代社会の関係性についての批評として機能していたということです。 今や「アイドル」は現代社会を語るうえで軽視することが出来ない存在だと思います。 この作品の主演3人(大和田南那・川栄李奈・高橋朱里)がAKBだったというところから、主観的な判断が先行していると思われても仕方がないのですが、僕は恐らくこの作品にAKBが出ていなくても変わらぬ評価をしていたと思います。 勿論、初めは大和田主演ということが大きな魅力となっていたのは事実ですが。 しかし、この作品を通じて提示された世界は、物凄く現実的で恐ろしい且つそれがハッピーエンドに見えてしまう歪んだ現代社会有り様そのものだったと思います。 そういった意味でも、当作はアイドルをテーマの一つとして掲げた「あまちゃん」でクドカンが果敢にチャレンジするも不完全燃焼に終わった「アイドルと現代社会の関係性」について、見...

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【2014年】4月期 ドラマ時評 各論①

4月クール連ドラ、その2です。 『BORDER』 『MOZU』 『ロング・グッドバイ』 『リバースエッジ』 『アリスの棘』 の順に書いてます。 早速いきます。 僕は基本的にメモを取りながらドラマを見るのですが、最終回までに見終った時メモの総量が圧倒的に多かったのが『BORDER』でした。 ドラマ評論家の評価も軒並み高く、初回で圧倒的な世界観を示した裏番組の『MOZU』に視聴率でじわりじわりとにじり寄り、ドラマ中盤から後半にかけてはかなり話題になった作品です。 この作品が面白かったのは、死者と対話できるという設定にリアリティを吹き込み続けた金城一紀脚本の手数の多さと、それに伴う連ドラに於いては極めて異例とも言える小栗旬演じる石川という刑事の一人称視点の歪さだったと思います。 また、最終回のエンディングも連ドラとしてはかなり異質なものでした。(特にテレ朝の刑事ドラマとして考えると) 主人公が捜査中に拳銃で頭部を撃たれた後遺症により死者と対話が出来るようになる、つまり死者(被害者)との対話から犯人(加害者)を捕まえるという設定で物語は進行していきます。 勿論これだけを読むとなんてつまらない子...

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【2014年】4月期 ドラマ時評 序論

忙しすぎて書けてなかった、前クールのドラマ評です。 今回のクールのドラマも中盤に差し掛かっていて今更感が否めませんが、これを書かないとなと思ったのは、純粋に前回のクールのドラマがどれもかなりレベルが高かったからです。 そして、今回は書いていたらあまりにも長くなったので、少し小分けにして今日から一週間ぐらい毎日少しずつ投稿していこうと思います。 初日は各ドラマの具体的な話には触れません。前置きのようなものを書いた部分を投稿します。 前クールで最後まで見たもの。 『極悪がんぼ』 『今夜は心だけ抱いて』 『花咲舞が黙ってない』 『銀二貫』 『BORDER』 『MOZU』 『続・最後から二番目の恋』 『アリスの棘』 『リバースエッジ 大川端探偵社』 『セーラーゾンビ』 『ロング・グッドバイ』 『ルーズヴェルト・ゲーム』 『モザイクジャパン』 『プラトニック』 平均すると1日2本ずつ見ていた計算です。 改めて僕は現実に非現実を流し込むという行為をしなければ生きていけないなと痛感しています。 『ファースト・クラス』を見逃してしまったという心残りはあります。 冒頭でも触れましたが、前回クールはゼロ年...

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【2014年】4月期 ドラマ時評概論

大型連休いかがお過ごしでしょう。 気づけば一度も連なって休むことなく連休も折り返され、後半も連休がないままそうやって日々が続いていくという悲しさと闘っています。 ちゃんと連休を満喫してくださいね。 遅くなりましたが、連ドラ後篇です。今回のクールの見どころを一気に! もう始まって少し経ちますが、これを読んで少しでも多くのドラマを今から見たいと思う人がいればと思います。 ■取り上げるドラマ 『極悪がんぼ』 『MOZU』 『続・最後から二番目の恋』 『アリスの棘』 『リバースエッジ』 『セーラーゾンビ』 『ロング・グッドバイ』 『ルーズベルトゲーム』 多い!今回のクールはマジで神懸ってます。 上記以外にもたくさん面白いのあるんですが、あまり多くても混乱を来すので。 『BORDER』2話を見た後にTwitterに『シュールレアリスム』から『マジックリアリズム』へみたいな事を書いて、次の日にガルシアマルケスが死んだという事に個人的に理論を越えた偶然を感じ、結局『百年の孤独』を読むことが出来た先週でした。 このような日常に風穴を開け現れるアンリアル、これがドラマの本懐だと思います。 しかし、僕は昨...

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僕の大好きな「TVドラマ」について、前のクールのおさらい(結果を残したもの)

やって参りました。季節の変わり目。 みなさん、フィクションと存分に戯れているでしょうか。 今回は、僕の大好きな「TVドラマ」について、前のクールのおさらい(結果を残したもの)について書いていきます。 そして数日後には、4月クール(ドラマによってはもう2話3話まで進んでいますが)の見どころ・展望などを書きたいと思います。 そうですね、前後編として2回にわたってというかたちになると思います。 さて早速ですが、まずは今回これから触れるドラマを書き出しておきます。 気になる(なった)ところだけ読んで下さい。 それではスタートです。 ・前回のドラマのなかで取り上げるもの 「失恋ショコラティエ」 「S -最後の警官-」 「明日ママがいない」 「なぞの転校生」 「宮本武蔵」 「LEADERS」 最後の2つは2夜連続×2時間ドラマです。前回と今回の連ドラの間で放送されました。 キムタク版の宮本武蔵と佐藤浩市で豊田喜一郎の伝記をドラマ化したものです。 早速ですが、前回の連ドラで最後まで面白く見れたのは「なぞの転校生」の1つのみでした。 ただこんなのはよくあることで、沢山見ていく中でだんだん切っていくとい...

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