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  • 又吉直樹『劇場』を読む。

    又吉直樹『劇場』を読み終える。 『火花』を読んだときに、芸人を主人公にした職業小説ゆえのリアリティが又吉にしか書けないものだと思ったが、同時に次は大変だろうなとも思った。 しかし、そんなことは全くなかった。 劇団を主催する永田とその恋人沙希との話。 物語は永田の「僕」の一人称で語られる。 この永田が重症。

    2017.03.21

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  • 『ラ・ラ・ランド』を観る。

    "お前は、ジャズを救ってない。"というマジック・ワードが、メタにこの映画について物語っているように思える。 クラシックな映画へのオマージュを描きながら、一方で工学的な方法で観客の心を捉えるこの映画はセブとキースの音楽に対するアティチュードと重なる関係にある。 そのために、どうしてもアンビバレントな感想を抱かざるを得ない。

    2017.03.20

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  • レコードやカセットで音楽を聴くこと、その意味 – ゆらぎ性と物語 –

    村上春樹の『騎士団長殺し』を読み、その中で音楽を聞くことの描写に関心を抱いた。 それは、主人公や友人がレコードやカセットテープといった時代遅れのメディアで音楽を聞くことが描かれている点である。 村上春樹は、そこにどんな意味を込めて描いたのだろうか。そう感じたのだ。 ここ数年、レコードの復権やカセット・リバイバルがささやかれてはいる。

    2017.03.19

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  • 村上春樹『騎士団長殺し』を読む。~ イデアとメタファーと、ポスト・トゥルースのその先へ ~

    自分の好きな作家について語るのは難しい。 また、偉大な作家の作品に不要な批評を書くことは愚行かもしれない。 にもかかわらず、文章を書きたいと思う。 村上春樹の『騎士団長殺し イデア篇/メタファー篇』を読んだ。 いうまでもなく、傑作だったといえる。 もしかしたら、村上春樹の最高傑作といえるようになるかもしれない。

    2017.03.14

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  • “小さな旅”のはじまり、「ぼくらが旅に出る理由」。

    これは何度も懲りず無謀な旅に出る前の“小さな旅”のはじまりについてのことだ。  先日突如として、小沢健二の19年ぶりとなるニューシングルが発売された。 発売を機にテレビなどメディアへの出演も果たし、近年表舞台での活動を控えていた小沢健二のカムバックに歓喜するファンの声がネットを中心に話題となった。 言わずもがな、僕もその一人である。

    2017.03.09

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  • 「雨の日は会えない、晴れ た日は君を想う」を観る。

    「雨の日は会えない、晴れ た日は君を想う」観てきた。 原題がDemolitionということで、劇中の激しい破壊シーン含め"壊れる"という変化が執拗に描かれる。冒頭のショッキングなシーンやそこで話されてる冷蔵庫、実は物語の始まり以前に壊れていた夫婦関係など。 主人公のデイヴィスも妻の死によって感情が壊れてしまったというより、どこか元から人間として壊れていたように映る。

    2017.03.09

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  • 「彼らが本気で編むときは、」を見る。

    「彼らが本気で編むときは、」見た。 荻上直子の新作でこのテーマはと思ってたんだけど、やっぱり良かった。 これまでの荻上作品は、広義のマイノリティがマイノリティを自覚して連帯することで居場所をつくり、その格式高さのようなもでアイデンティティを保つというような印象だった。 分かる人にだけ分かれば良いといったマイノリティ側の諦念やシャットダウンで成り立つユートピア的世界の美しさが基本にあったと思う。

    2017.02.28

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  • 文化系トークラジオLife「ポスト・トゥルースのその先へ」を考える。

    【追記】番組で少し読んでいただきました。わーい。 http://www.tbsradio.jp/life/2017/03/part71tbslife.html ポスト・トゥルースを考えてみるときに、現在のこのポスト・トゥルースを生み出した状況には、①技術的側面(テクノロジー/ライフスタイル)/②政治・経済的側面/③歴史的・思想史的側面があるのではないかと思います。

    2017.02.26

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  • 村上春樹『職業としての小説家』/『騎士団長殺し』を読む。

    村上春樹の『職業としての小説家』を読み終わった。驚いたのは数年前に出たばかりの比較的新しい本の内容なのに既知に溢れていたこと。monkeyで書いていたのがもう少し前ということもあるのだろうが、村上春樹を語る上で多くの人間がここから引用してるということが良く分かった。 僕の印象では、彼は小説の創作や個人の話をそれほど語ってこなかった。

    2017.02.25

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  • 2017-2月のメモランダム

    2017-2月について 社会面では、ある女の子の信仰と労働問題が話題になっている。 経済面では、18万人の従業員を抱える企業が一部上場から二部上場に変更となった。 アジアでは、独裁者の義兄がクアラルンプールで暗殺された。 東アフリカの南スーダンは混迷の中にある。 パロールとエクリチュール パロールとエクリチュールの違いはコンテクストが内包され状況が制限されているか否かの差だ。

    2017.02.18

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  • 松浦理英子『最愛の子ども』を読む

    忙しくてなかなか進まなかった松浦理英子『最愛の子ども』読み終わり。 傑作中の傑作で、これまでこんなに愛おしいと思いながら読んだ小説があっただろうかと思うほど。 <わたしたち>という一人称複数で<わたしたちファミリー>を追いかけるという構造には一見無理があるのだが、徹底した構造順守の姿勢と読み手の期待や愛のようなものが<わたしたち>の妄想部分の違和感を消し去る。

    2017.02.04

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  • 沈黙 サイレンス(2015年製作の映画)

    17世紀、江戸時代初期におけるイエズス会宣教師と隠れキリシタンの信仰と迫害、転向の物語。 それ以前、16世紀のヨーロッパでは、マルティン・ルターやカルヴァンによる宗教改革により新教徒であるプロテスタントが台頭していた。 そのため、ローマ・カトリックは、その存在意義を問われ、真の信仰を示すために新天地での布教が求められた。

    2017.01.29

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